精神科病院の複数の看護師が患者に暴行したことが発覚 病院は謝罪 静岡・沼津市

9月、沼津市の精神科病院で複数の看護師が患者を殴るなどの暴行をしていたことが分かりました。病院側は暴行を認め謝罪しました。

画像: 1221YA youtu.be

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病院会見:
「申し訳ありませんでした」

 またしても、県内で明らかになった虐待事案。

白鳥衛記者
「沼津市市道町です。住宅街を歩いた先にあるこちらの病院で9月、看護師による虐待行為があったということです」

 9月、沼津市の精神科病院「ふれあい沼津ホスピタル」で男性看護師が入院患者を殴ったり、蹴ったりする暴行を加えていたことが分かりました。

 発覚したのは12月15日。

 沼津市に寄せられた「暴力行為がある」という匿名での通報がきっかけでした。

 暴行の様子は院内のカメラに記録されていて、病院の聞き取りに対し、男性看護師は事実関係を認め、すでに退職しています。

 患者の家族の意向を踏まえ、警察には通報していないということです。

頼重秀一市長は 沼津市役所 午前10時

 午前、沼津市の頼重秀一市長も問題に言及しました。

沼津市 頼重秀一市長:
「つい先日、近隣市町の保育園において、乳幼児を対象とした虐待行為が行われたということが発覚し、要するに自分の意思を伝えることができないような、そういう方々に対して極めて行ってはいけない悪しき行動が全国でクローズアップされた。本当に舌の乾かないような状況において、私ども沼津市においても今回そのような事件が発生してしまったということで極めて残念であるし、決してあってはならないことだと考えている」

 これまでにふれあい沼津ホスピタルに関して、市への相談はなかったそうです。

 沼津市は15日午後に通報を受け、その翌日、医療施設を所管する静岡県に報告。

 19日には病院側からも県に報告があり、県はきのう病院への立ち入り調査を実施したということです。

沼津市 長寿福祉課 高橋義久課長:
「一般的に高齢者虐待で生命身体に危険がある場合、緊急の対応は市で対応したいと思っております。今回の件につきましては、緊急性が少ないことから市として動けることはないと判断しました」

Q.なぜ緊急性が低いと判断されたのでしょうか?

「詳細な内容が含まれるので詳しい説明は控えますが、いただいた情報の中で緊急性が低いと考えていたのでそのような対応としました。時期的な問題を含めて、かなり時間が経過しているとの判断でした」

画像: 頼重秀一市長は 沼津市役所 午前10時

病院側の会見

 今回明らかになった暴行事案は、1件ではありません。

 9月、別の男性看護師がテーブルを倒した弾みに、車いすの患者を転倒させ、軽傷を負わせる危険な行為が確認されています。

 この男性看護師も、すでに退職したということです。

 そして午後4時から病院側が会見を開きました。
 
 殴ったり蹴ったり暴行した男性看護師は1カ月に2回同じ患者を暴行したといいます。

最所義一弁護士 ⇒ ふれあい沼津ホスピタル 栗原えみ看護部長

Q.唐突に暴力をふるったような印象を受けるが、静止する目的があった
最所:
「床に落とした食事を食べるのが今回だけではなく、かなり以前からあった行為。その点については看護部長からお願いします」

栗原:
「そういう問題行動をなくしたいとか、なおしたい思いがあって、いろいろなケアをやったり、試したりしながらケアをしてきたが、一向によくならないジレンマからそういう行動に出てしまったと本人から聞き取りをした」

Q.車いすで静止しようとした方にはどんな聞き取りをした?

「車いすを倒した方に関しては、最初は止めていたが、ついカーッとなってしまったというような、行き過ぎてしまったと聞き取りをしています」

最所義一弁護士 ⇒ ふれあい沼津ホスピタル 石川洋二事務責任者

Q.9月のどちらの事案も確認してから行政など関係機関に報告したのはいつ?
最所「行政機関への届け出は今月19日になります」

Q.そこまで報告しなかった理由は?

最所:
「その点につきましては…」

石川:
「届け出が遅れたことについては、精神保健福祉法においては暴行等があった場合の届け出の義務がなかったこともあり、速やかに関係機関に届け出をするという意識に欠けていた。その辺の認識が甘かったことで反省をしている」

警察もこの虐待行為を把握していて、すでに院内のカメラの映像も確保。
捜査を始めているということです。

画像: 病院側の会見