1年前に最愛の娘を突然失った遺族の思いは
バス到着→千奈ちゃんが降りる→お辞儀
※両親提供の動画
河本千奈ちゃんの父親:
「お利口に椅子に座って千奈が一番最後にバスから降りる園児だったので、1人でしたけど、ドアが開いたときに私の方を向いて、きっとパパだってこう思ってくれたのかなとか」
今も検察による捜査は続く
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で起きた事件からきょうで1年。
当時3歳の河本千奈ちゃんがおよそ5時間バスに置き去りにされ、重度の熱中症で死亡しました。
事件当日、普段の運転手に代わってバスを運転していたのは、
当時の増田立義園長でした。
当時の園長や担任ら4人は去年12月、業務上過失致死の疑いで書類送検され、現在も検察による捜査は続いています。
父親はSNSで思いを語る
父親がSNSで事件に対する思いを語り始めたのは、今年3月でした。
「はじめまして、河本千奈の父です」
「事件で娘を亡くしました」
父親は事件直後に園と念書で交わした「廃園」の約束を守られなかったこと。
その後の園の対応を不誠実と感じていることを繰り返し訴えてきました。
河本千奈ちゃんの父親:
「たくさんのコメントなどをいただいて、励ましていただくということはとてもうれしいのですが、事件でいうとまだ起訴も終わっていませんし、何も進展がなくて、ただただ待っている。
そして園に関しても何も進展がなく、責任をとらない。
約束は守らないということなので、本当に娘が亡くなっただけ。
それ以外は関わった人たちは普通に生活をしている。そういうことが許せなく感じますね」
千奈ちゃんが作ってくれた宝物
千奈ちゃんが園で作ってきてくれた宝物。
今も大切に保管しています。
河本千奈ちゃんの父親:
「これもお母さんありがとうって書いてくれて裏は千奈の写真とか絵が描いてありますけど、これも千奈がプリンセスが好きだった。
特にラプンツェルが好きだったのでそれの色で紫なのかなと」
「母の日で作って持ってきてくれたときは、単純に僕はそれを見て、妻がうらやましかったですし、父の日をプレゼントとして持ってきてくれたときは本当にうれしくて妻に自慢しましたし」
「本人に触れることができないので、本人が残してくれたものを手に取って。それしかできなくなってしまった」
今心の支えは妹である次女の存在
愛する娘を失った今、遺族の心の支えとなっているのは、千奈ちゃんの妹である次女の存在です。
次女が生まれ、事件が発生するまでわずか3カ月でした。
河本千奈ちゃんの父親:
「千奈の写真を見せると、あとは動画などを見せると、必ず次女はニコって笑うので、3カ月間の一緒にいた期間はそれしかありません。けれども、なんか深い部分で覚えてくれているのかなと感じていますね」
「(将来)次女にこの事件のことを伝えるっていうのは、私たちもなんて伝えていいかわからないですし。それによって次女が深く傷ついてしまうことも避けたいですから。ただ本当一生懸命、お姉ちゃんはお世話をしていたんだよ。かわいがって本当にあなたが生まれてくるのを楽しみにいたんだよ。それはしっかり伝えたい」