「津波は高くなかったのに…」道路にまで船が 水・食料求め開店1時間前から長い列 【被災地ルポ…石川・七尾市】

 能登半島地震は発生から丸4日が経過した今も懸命な救助活動が続いています。現地に入っている静岡朝日テレビの取材班からの報告です。

被災地を取材している静岡朝日テレビのクルーは3日、石川県七尾市に入りました。

白鳥衛記者(石川・七尾市 3日):「津波の被害を受けた七尾市の能登島です。海からすぐそばの道路には、このように立てられていたとみられる柵や漂流物が散乱しています。また奧を見てみますと船一隻が海沿いの道路に流されているのがわかります」

「本当につらいのは、きっとこれから」

 近くの漁港から船が流され、何隻も道路に乗り上げていました。流されていたこの舟の持ち主に話を聞くことができました。

船の持ち主:「ちょうど船あげてあった。向こうの漁港に。それでそのまま津波に流されて、うまいこと家の前で止まった。大した高さではなかったはずだが、すごい動かしたり、いろいろと物も無くなったりしたので、大したことないと思いながら、現状を見ると怖い。本当につらいのは、きっとこれから。まだ興奮しているところもある。地震を受けて気持ちが高ぶっているが、きっと本当につらいのはここから。自分の近所の人たちとか、民宿している人たちとか、いろんなことしている人たちも、いつまた立ち直れるのか…」

船が道路に

スーパーには開店1時間前から長い列

 一方で、市内のスーパーでは…

白鳥記者(石川・七尾市 3日):「発災から2日が経ちましたが、こちらのスーパーマーケットには水や食料を求め、開店1時間前から長い行列ができています。また、きょうは早朝から雨が降っているということで、凍える寒さの中みなさん開店を待っています」

利用者:「電気は大丈夫だけど、水が止まっている状態。やっぱり飲み物、水ですよね。きのうもここに来たけど、全部売り切れている」

スーパーには長蛇の列

1階がつぶれた住宅

 復旧作業が行われる七尾市内。住宅の多い場所では、1階が潰れてしまった家屋も多く、道路は隆起している場所もありました。

倒壊した家屋

 30年近くやっているこちらの寿司店でも、復旧作業に追われています。

 店主:「夜は避難所に行っている。日中だけ来ているけど、何も手付かず。住めればいいけど、住めない。とりあえず来て応急処置」

 地震のあった当日は店は休みで、すぐに兄と一緒に避難所に行ったといいます。店内にはまだ手がつけられていない状態の割れた食器、床にはビンやグラスが散乱していました。

店主:「(避難所に)ようやく仮設トイレ入ったし、少ないけど食事もできてよかった」

Q.いま何が一番大変?

A.「一番はゆっくり足伸ばしたいけど、片付けられないから、足を伸ばせるところが必要」

復旧作業