袴田さん無罪判決から1週間 ~大谷昭宏が聞く~① 村山元裁判長   

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 袴田さん無罪判決から1週間。検察は控訴するのか断念するのか

 再審法の問題点について、ジャーナリスト大谷昭宏さんが切り込みました

 1966年、旧清水市でみそ会社の専務一家 4人が殺害。従業員の袴田巌(はかまだ・いわお)さんが逮捕され死刑が確定しました。

 発生から58年、先週、静岡地裁は袴田さんに無罪判決を言い渡しました。

 その3日後に開かれた集会

●袴田さん:
「私が袴田巌でございます。(拍手)無罪勝利ということで待ちきれない言葉でありました。無罪勝利が完全に実りました」「最後の最後まで闘うと、闘う他ないということで、ついに完全に全部勝ったと思って、きょうはめでたく皆さんの前へ出てきたということ。無罪勝利ということに検察も認めたということ。これからの闘いにおいては、政治的、社会的地位を守っていく、これが根本的なものでございます。どこまで闘い勝てるかということになります。よろしくお願いいたします」

 2014年、袴田さんの再審開始を決定した静岡地裁の村山浩昭(むらやま・ひろあき)元裁判長。「拘置をこれ以上継続することは、耐えがたいほど正義に反する」と、袴田さんを釈放しました。

 判決の前日、大谷さんが村山元裁判長に再審法の問題点などを尋ねました。

大谷昭宏):
「再審法といっても、これは裁判官、 検察官で法律をつくるわけにいかないわけですから、 あくまで立法府の。問題ですから。この先の見通しとしていかがでしょうか?」

村山元裁判長):
「法務省がもし動かないのであれば、 議員立法も視野に入れた形で、その活動をしていただくと。 ということをもちろんこちらは望んでおりますし、 その今の議連の重要なポストについている方々は そういったことも考えておられるというふうに私は思っています」

村山元裁判長は釈放された袴田さんやひで子さんと面会したことがあります。

大谷昭宏):
「(以前)袴田さん、秀子さんにもお会いになる。もちろん裁判官からずっと退官されているのですが、いろいろなお立場があると思うが?」

.村山元裁判長):
「袴田事件というのは特別私にとっては特別な事件であるということと同時に、 私自身が現在、日弁連で再審法改正実現本部のメンバーとして活動しております。 そういう中で、やはり袴田ひで子さんというのは今、 (再審法)改正運動のシンボルなんですよね。 ですからそういう方とお目にかからないわけにはいかないんです。あともう一つ、やはり巌さんが元気にしているかっていうのを心配するのは、私は一人の人間とそういう感情になって、 どこが悪いんでしょうかっていうふうに申し上げたいです。 私はそういう気持ちでお話をさせていただいていますし、『巌さんどうですか?』というふうに伺ったことももちろんあります」

大谷昭宏):
「ひで子さんが法廷に立って『今まだ死刑囚だから体は自由の身だけど、誠の本当の真の自由をお与えください』とあの言葉、すごく重たいと思うんですね。東京拘置所からお出しになった立場としては、やっぱり残りの年月という、 やはりその年月は、元裁判長としても元気で暮らしてほしいという思いがあるんですよね?」

村山元裁判長):
「本当に真の自由になったっていうことであれば、 もっともっと生きていただいて、その言葉として適切どうか分かりませんけれども、真の 自由を謳歌していただきたいって。社会生活の中で」