「教師に触られた」「距離が近い」不必要な身体的接触が最多 静岡県が学校のセクハラに関するアンケート結果を発表
静岡県は2024年度に実施した、児童生徒を対象としたセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)に関するアンケートの結果を発表しました。
対象となったのは、全ての県立学校及び、政令市立を除く全ての公立小中学校に在籍する、小学5年生から高校3年生までの児童生徒14万5,919人です。(小学校3万6,322人、中学校5万1,765人、高校5万2,897人、特別支援学校4,935人)
実施期間は2024年11月1日から2025年3月3日までで、啓発資料によりセクハラについて説明した上で、児童生徒が家庭等で記載し提出(無記名も可)。回収は担任等を介さず、校長など管理職が行ったということです。
「セクハラを受けたと感じた」と回答した人は101人(小41人、中38人、高21人、特1人)で、2024年度の回答者数(103人)とほぼ同数でした。不同意わいせつや盗撮等、わいせつ行為に関する回答はなく、懲戒処分の対象となる事案も確認されませんでした。
セクハラの内容については「距離が近い」「触られた」など、一方的な接近や接触を伴う言動に関する回答が最も多く、全体の半数以上を占めました。
セクハラの内容については下記のような回答があったということです。
〇不必要な身体的接触…49件
・書道の授業の時に、背後から抱きつくような形で、筆を持った上から手を重ねて握られて教わった。わかりやすかったが嫌な気持ちになった。
・褒められたときに頭をなでられた。
・制服のスカートが短いことを注意された際に、制服の腰の部分を触られた。
〇不必要な接近、凝視…4件
・授業中、実験の説明や支援の時に距離が近い。
〇身体的特徴など羞恥心を害する内容の発言…21件
・授業中に、下ネタを言った。
・児童に対して「ちび」と言った。
・友達の前で体重が増えたかどうか聞かれた。
〇特定の性別や容姿に対する差別的対応…4件
・名前を「ちゃん」づけで呼ばれる。
・生徒の容姿を歴史上の人物に例えて発言した。
〇視覚的に性的羞恥心を害する行為…1件
・夏に身体のラインがはっきり出る服装をしていた。
〇連絡先等個人情報の要求…1件
・廊下で、付き合っている人はいるかと聞かれた。
〇性別を基準とした差別的言動…2件
・「男のくせに泣くな」と言われた。
・授業の発表の時、女子ばかりを指名して男子を指名してくれない。
〇性別による役割やらしさの強要…3件
・掃除分担で、男子は力があるから机運び、女子は箒と性差別があった。
・持ち物の生徒指導時に、「女の子じゃないんだから」という発言があった。
県教育委員会によりますと「セクハラを受けたと感じた」という回答があった事案については、各学校において該当職員に注意指導を行ったということです。また、今回報告のあった実事例を参考とし、自らの言動を振り返るためのチェックリストを作成するなどして、教職員の意識啓発を図っていくとしています。
