袴田ひで子さんが鹿児島で講演「再審無罪判決の残した課題」そして大崎事件の原口アヤ子さんと面会「再審法の改正」を願う

再審で無罪が確定した袴田巌さんの姉・ひで子さんが鹿児島へ行き、「大崎事件」で服役し、無実を訴える原口アヤ子さんと面会しました。ひで子さんが願うのは「再審法の改正」です。
先週金曜日、静岡空港に袴田ひで子さんの姿がありました。
鹿児島で開かれる再審に関する講演会に出席するためです。
袴田ひで子さん:
「鹿児島、何度もいっているからそれほど遠いと思わない」
ひで子さんが鹿児島を訪れるのは6年ぶりです。
土曜日、講演会のテーマは「袴田事件 再審無罪判決の残した課題」。
袴田ひで子さん:
「皆さまのご支援後押しがあったからこそ巌は無実・無罪になったと思っております。本当にありがとうございました。このお礼が言いたくてきょう私来ましたの」
92歳のひで子さんはおよそ30分間立ったまま、長年の活動や家族の思いを語りました。
袴田ひで子さん:
「58年闘ってまいりました。再審法に不備があることは間違いありません。巌だけが助ければ良いと思っていません」
講演のあとには握手やサインを求めて、ひで子さんの周りに多くの人が詰めかけます。
袴田ひで子さん:
「人間はニコニコしてなきゃいかん。どんなにつらいことあっても、我慢してニコニコしていれば良いことがある」
鹿児島に来た目的がもう一つ。
袴田ひで子さん:
「巌が無罪になったの。お陰さまで。だからアヤ子さんも頑張って。無罪になるように」
日曜日、ひで子さんは老人ホームで原口アヤ子さんと会いました。
6年ぶりの再会です。
原口さんは1979年鹿児島県大崎町で、義理の弟を殺害したという罪で10年服役しましたが、一貫して無実を訴えています。
この日が98歳の誕生日の原口さん。
ひで子さんに顔をなでられると、口を大きく開けてほほ笑んでいました。
袴田ひで子さん:
「にっこり笑って、ものこそ言えないけど分かっていると思う。アヤ子さんが喜ぶからさすったの。一生懸命さすった。アヤ子さん、喜んでいましたよ。笑い顔がかわいらしい」
袴田ひで子さん:
「また、来るで。元気でいてよ。元気でいてちょうだい」

大崎事件はこれまでに3回、再審を認める決定が出ていますが、検察が抗告したのち、いずれも取り消されました。
今、弁護団が5度目の再審請求を準備しています。
大崎事件弁護団 鴨志田祐美弁護士:
「あとちょっとで法改正ができるっていうところまで来ている。検察官の不服申し立てが禁止されれば、今度は早く決着がつくから、絶対それまで待っててねと」
袴田ひで子氏:
「再審法の改正を早くやってもらわないとね。 こういう被害者がたくさんいるってことをそれを国はよく考えていただきたいと思う」
