静岡県函南町で無許可で盛り土を造成したとして残土処分業の社長ら3人を逮捕 台風の復旧工事を口実に
白鳥衛記者:
「午前9時半です。 容疑者を乗せた車が三島警察署へ入ってきました」
函南町土砂条例違反の疑いで逮捕されたのは、清水町で残土処分業などを行う「ソーラーセキュリティ」の社長(53)、沼津市の土砂運搬業「帝通」の代表(47)ら3人です。
3人は2021年3月ごろから1年間、函南町丹那の3カ所で町長の許可を受けずに盛り土を造成した疑いが持たれています。
警察によりますと、いずれも町長の許可が必要となる1000平方メートルを超えていて、3カ所の盛り土は、合わせて7400平方メートル。
土砂の量は1万4600立方メートルにも及ぶということです。
残土処分業の社長らは、2019年の台風19号で一部の土砂が崩落したことを受け、2021年2月復旧工事の名目で町に届け出をし、土砂の運搬を開始。
しかし、盛り土は届け出のあった場所以外にも広がりました。
函南町都市計画課 江田朝夫課長:
「(社長らは)台風で崩れたところ、それを直したいんだよという主張だったが、ただやはり応急的な復旧ではなくて、これはもう残土処分というような、かなりの土砂を搬入した」
住民から通報を受けた町は、2021年7月に措置命令を出すまで、再三にわたり指導をしましたが、社長らは「土砂の搬出先が見つからない」と説明し、措置を講じることはありませんでした。
残土処分業の社長は、土砂運搬業の代表に指示して土砂の搬入業者を手配していたとみられています。
また、3人は県内外10社ほどの業者から20トンのダンプカー1台につき1万5000円から2万円で建設残土を受け入れ、1年間で少なくとも1500万円の利益を得ていたということです。
警察は、3人が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。
3人は3カ所のほかにも盛り土を違法に造成したとみられていて、警察は、他にも関与した人物がいるとみて、捜査を続けています。