静岡市繁華街のビル火災 亡くなった消防士の警報機が鳴らなかったか… 事故調査委員会が報告書公表へ
静岡市消防局は5日の市議会で、8月に消防士1人が死亡したビル火災で消防士の警報器が鳴らなかった可能性があることなどを明らかにしました。
8月、静岡市葵区呉服町のビルで火事があり駿河消防署の消防士・山本将光さん(37)が死亡しました。きょう5日、市議会企業消防委員会で市消防局は現場の図面を示し経緯などについて説明しました。それによりますと山本さんの隊の3人は、山本さんを先頭に青の線の経路で現場に進入。午後10時55分ごろ火元を発見し放水。およそ5分後、指示を受け退出をする際真ん中にいた隊員が山本さんの体に触れ「退出」と声をかけましたが、その3分後の午後11時3分山本さんがいないことに気が付いたということです。
山本さんは所有者に一定時間動きがなかった場合、走行中の電車内より大きい95デシベルの音が鳴る警報器を携帯していましたが、捜索にあたった隊員らは音を確認していないと言います。このため捜索は難航。山本さんが見つかったのは連絡が取れなくなっておよそ3時間半後の午前2時24分でした。警報器が何らかの理由で作動していなかった可能性があります。
市消防局は13日に外部の有識者らで作る事故調査委員会を設置し、2023年1月をめどに原因などについてまとめた報告書を公表するとしています。