「企業努力じゃ追いつけない」 マグロ漁業会社…1回の航海の燃料代7~8000万→1億円 電気代も5年前の2倍 広がる中東ショック
中東情勢のあおりをうける現場に、追い打ちをかけるのが…。
マグロ漁業会社 松永知已店長:「かなりの電気代がかかります。(今年は)20万円ぐらい上がるんじゃないか…」
高市早苗総理大臣:「今後は中東情勢に伴う燃料輸入価格の上昇が電気料金に反映されていく可能性がございます」
一般家庭でも、6月使用分から電気・ガス料金が「値上がり」します。日本屈指の冷凍マグロの水揚げ量を誇る、静岡県。
松永店長:「もうこれ以上どうすればいいんだよ。どうしてもかかってくるものだからね、電気なんて」
そう語るのは、マグロの漁獲から加工、販売まで行う企業の直営店の店長です。本マグロが“黒いダイヤ”と呼ばれるのに対し、“赤いダイヤ”と呼ばれるミナミマグロ。こちらでは、オーストラリア近海などで漁獲し、販売しています。マグロの中でも“随一”と言われる、脂の甘みが特長です。
客「(ここの)マグロはまず間違いない」
しかし、今、コスト上昇が直撃しています。
松永店長:「船の燃料費(重油)ですね。(1回の航海で)7000万円~8000万円くらいだったのが、今1億円。20%~30%はどんどん上がっています」
そこに追い打ちをかけるのが、電気代です。
松永店長:「こちらが当店の冷凍室です」
Q.これ何度ですか?寒いですね
A.「マイナス40℃以下になります」
中は、まさに極寒の世界。
松永店長:「そこにマグロが並んでいますね。きょうは15本くらいです」
新鮮なまま、丸ごと凍結された天然のミナミマグロ、奥にも、部位ごとに分けられたマグロが…。
松永店長:「これはミナミマグロの中トロですね。ガッチリと(凍っています)。触っていると脂がついてくるんですよ」
体温で、あっという間に脂が溶け出します。この温度管理が、マグロにとって最も重要だといいます。
松永店長
Q.温度が上がるとどうなる?
A.「マグロの色が変わっちゃうんですよね。変色がひどいです」
Q.商品にならない?
A.「ならなくなっちゃう。そのためにかなりの電気代がかかります」
こちらが売り物のマグロ。温度が上がり、販売できなくなったマグロと比較すると、発色の差は一目瞭然です。見せてくれたのは、2021年からの電気代を示した資料。
暑さが厳しい夏で比較すると…。
松永店長:「5年ぐらい前で60万円ぐらいになっています」
2021年は、およそ60万円。
松永店長:「令和4年(2022年)で一気に100万円ぐらい」
この年は、ウクライナ戦争の影響だといいます。それ以降は、90万円から110万円台と高止まり。そして今年、イラン情勢を受けて…。
松永店長:「予測だと(前年比)約20万円は上がるんじゃないか」
Q.130万円くらいになる?
A.「マックスそのくらいになっちゃうかもしれないですね」
政府は中東情勢に伴う物価高対策として、補正予算案を編成する方針です。規模は3兆円程度ということですが、中小企業支援や給付金を求める声もあり、具体策の調整が続いています。
松永店長:「企業努力では追いつけないところには来ていますよね。(補助金など)そういうところを見てもらいたいなと思いますよね」