家事・育児がストレスに 静岡・磐田市で実の息子(当時3)に暴行を加え、死亡させたとされる父親の裁判 裁判で事件の背景が明らかに 判決は5月29日の予定

 2025年1月、静岡県磐田市で実の息子(当時3)に暴行を加え、死亡させたとされる父親の裁判が26日に始まりました。初公判で父親が病院に「階段から落ちた」と嘘の通報をしていたほか、事件の背景が色々と浮彫になってきました。

 傷害致死の罪に問われているのは、磐田市に住む無職の男(26)です。起訴状などによりますと被告は2025年1月、自宅内で息子(当時3)の腹部を拳で2度殴る暴行を加え、失血により死亡させたとされています。

 26日、静岡地裁浜松支部で開かれた初公判で被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

【事件の背景】
 裁判の冒頭陳述によると、被告は2024年4月頃から磐田市内で妻と2人の息子の4人で暮らし始めました。しかし、被告は8月頃から仕事を休みがちになり同年11月末に退職しました。2人の息子は被告の勤務先にある保育園に通っていたため、同時期に退園しました。平日は妻が働いていたこともあり、日中は被告が育児を担当することに。しかし、環境の変化が結果として事件を招くことになりました。

【暴言・暴力の常態化】
 被告は家事なども担当していましたが、その負担や妻との関係悪化からストレスを募らせるようになります。被害者は1歳半検診で発達障害などの疑いを指摘されていて、着替えや食事が上手くいかないと被告から「お前、頭大丈夫か?」などの暴言やリモコンなどで殴られたりしていました。被告は妻に注意され、その場では謝るものの同じことが繰り返されていたといいます。

【証言台に立つ被告の母は…】
 また、証人尋問では被告の母親が出廷。被告の幼少期から現在までの状況が明らかになりました。
弁護人:「14歳の頃に心療内科へ行っているが、なぜ?」
母親:「学校で落ち着きがなく、フラフラしたりしていた。不登校になり心配だった。(医師から)グレーゾーンだと言われた」
検察:「被告も父親から暴力を受けていた影響があった?」
母親:「息子も小さい頃に“しつけ”として(被告の父親から)暴力を受けていた」「(被告が)孫の腕を引っ張ったりしたので、注意したら「これはしつけだから」と言っていた」

地裁浜松支部
地裁浜松支部

【事件当日】
午前8時前に妻が出勤のため、自宅を出ます。被告人は被害者のおむつを変える際に「おむつには大便をしていない」と言われ、おむつ内にしていた大便が床などに散らばったことに激高。被害者の右腕を掴み、腹部を強く2回殴りました。次第に顔が青白くなるなど容態が悪化したことで、妻に状況を電話で伝えました。「階段から落ちた」妻から病院へ電話することを提案され、同様に嘘の内容を伝えます。

 事件から約3時間半後に救急搬送され、手術が行われました。しかし、肝臓がほぼ真っ二つに断裂していたことなどが原因で被害者はその日の夕方に失血死で亡くなります。

【被告が語る後悔】
 裁判の被告人質問では「命を最優先に嘘をつかなければ、救えたかもしれない」と後悔を口にした被告。事件後に離婚した妻にも自身の思いを話しました。
「被害者がお腹にいるときから愛情込めて育ててくれた。私が殺めてしまったこと、嘘をついて逃げていたことを申し訳なく思っています。一生償っていきます」

 この裁判の判決は5月29日に言い渡される予定です。

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