教職員の不祥事は根絶できるのか? 静岡県教育委員会コンプライアンス委員会
根方ゆき乃記者:
「教員の不祥事根絶に向けた対策の協議が行われます。急務となっているのはセクハラやわいせつ行為の根絶です」
静岡県教育委員会 池上重弘教育長:
「本日は限られた時間でありますが、県教育委員会が進める不祥事根絶の取り組みにご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします」
2日朝県庁で行われた「県教職員コンプライアンス委員会」。
毎年この時期に開かれる会議で、弁護士や臨床心理士など外部の有識者ら6人と県教委が教職員の不祥事根絶に向け意見を交わしました。
県教育委員会 教育総務課 貝瀬佳章参事:
「12件という、教育長の話があったが、こちらは現時点までに行われた懲戒処分の件数。性暴力、体罰、それから交通事案その他ということで、器物損壊、暴行等の内容が記されていて、これが処分を行った12件ということになる」
逮捕者10人(教師9人、職員1人) 懲戒処分12件
今年度、県の教育行政は異常事態とも言える状態が続いています。
去年4月に酒気帯び運転の疑いで教師が逮捕されたのをきっかけに、2月2日までに10人の教職員が逮捕されたのです。
深刻なのが性犯罪です。
逮捕された10人のうち5人がわいせつ事件に関わる容疑だったほか、県立高校の20代の男性教諭が、教え子の女子生徒にセクハラ行為をしていたことも発覚しています。
●県教育委員会 教育総務課 貝瀬佳章参事:
「ちょっとこれまでにない数値であり、継続した対策では立ち行かないのではないかと強く感じている。信頼に応えられているかどうかというと、今現状は非常に厳しい状況にあると考えている」
県教委として原因の究明も有効な対策も示せない中で行われたコンプライアンス委員会
県教委はわいせつ・セクハラ防止対策に重点的に取り組むと強調した上で、子どもへのわいせつ行為のきっかけになるSNS使用などのルールについて、教員への研修だけでなく、児童・生徒や保護者にも周知徹底を強化するとしました。
また怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメント研修を新たに実施する案を示しました。
これに有識者からはー。
コンプライアンス委員 葦名ゆき弁護士:
「現場の先生にとって負担が結構重い研修が多くなってきてるんじゃないかっていうところが少し気になった。そういうことをしなくても職場で自浄作用のあるような、それこそ皆さんが忌憚なく意見交換を各学校でできて、未然にその不祥事の芽を摘めるような環境を作っていくっていうところがすごく大事になってくるんじゃないかと」
コンプライアンス委員 齊藤純子 臨床心理士:
「先生方もとってもストレスを抱えているかなと。職員室がムスッとしているような感じではやはりうまくいかない。なので職員室の中ですごく会話を増やそうという流れがあり、それはとてもいい取り組みだと考えている」
会議終了後、取材に応じた池上重弘教育長は
Q今年度の事案発生に関して、何故発生が多くなってしまっているかという分析は?
池上重弘教育長:
「やはり今コロナの状況下で非常に先生方に、大きなストレスがかかっているということは間違いない事実だと思う。教員以外にストレスを抱えてるし、非常にしんどい中で皆さん働いているのは間違いない。今わいせつ案件等で非常に多い事については、子どもたちに対する構えや接し方について自覚の足りない部分がある。そういう教員がいることは間違いない事実だと思っている。私たちが留意すべき点などについて地道ではあるが、その都度伝えて防止に取り組んでいるところ。」
県教委は2日の会議で出た意見などを踏まえ、来年度の対策について練り直すとしています。