建造中のタンカー火災…アセチレンガスのホースに穴が開き引火か 作業員1人死亡9人負傷
21日朝、静岡市の清水港で建造中のタンカーから出火し、作業員1人が死亡、9人がけがをしました。警察と消防が出火原因を調べています。
港町・清水の三保地区にある造船所「カナサシ重工」。火事が起きたのは建造中だった全長およそ70メートル、1000トンほどの大型タンカーです。午前8時50分ごろ、造船会社の従業員から「船首付近が燃えた」と、消防に通報がありました。
発生からおよそ2時間、現場となった工場内の映像です。救助活動に時間を擁したのでしょうか。この時間にも、けが人が搬送されていました。火災発生当時、作業していたのはおよそ40人。警察や消防によりますと、1人が死亡、9人がけがをしましたが、いずれも命に別状はないということです。
会社側によれば、火災が起きたのは原油や重油などを運ぶタンカーです。7月16日に進水式を行ったばかりの船で、一体何が…。
宮川淳実況:「火災があった大型船舶です。船の船首部分に多くの消防の姿が見えます」
火元とみられるのは、船首付近。多くの消防隊員が活動していて、下をのぞき込んでいる様子も確認できます。
そこに何があり、どのような作業が行われていたのか。警察や消防によりますと、船体前方のスクリュープロペラを制御するための部屋があり、上下4つの層に分かれた、最も下の「4層」が火元とみられています。消防によれば、焼失面積はおよそ4平方メートル。
そこでは当時2人が溶接・溶断などの作業で、バーナーを使っていて、死亡した中国籍の40代とみられる男性の手袋に引火したのを、一緒に作業していた男性が目撃していました。4層には黒煙が充満したといい、船内にいた3人のほか、甲板にいた6人が煙を吸うなどして搬送されています。
別の造船会社によれば、進水式のあとの作業としては、一般的に、仕上げの塗装や照明などの電気関係の工事をすることが多いといいます。去年11月、番組では今回火災のあったカナサシ重工を取材。そのときも、タンカーを建造中で、ブロックを積み重ねて、組み上げていく構造を見ることができました。
消防関係者は、今回の出火原因について、溶接作業に使うアセチレンガスのホースに穴が空き、もれたガスに引火したとみています。
専門家は…。
元東京・麻布消防署長 坂口隆夫さん:「アセチレンガス、これは酸素と一緒に使う。アセチレンガスは可燃性ガスのなかで一番引火の危険が高い。酸素が多ければ多いほど大規模に延焼拡大の恐れがある。やはり工事をやる前にしっかりとホース等の確認をする必要がある」
警察は業務上過失致死傷の疑いも視野に調べています。