中小企業を支援するはずだった静岡県の補助金事業なぜか開始早々停止に
止まらない物価高騰を受け、28日から県は、中小企業を支援する新たな補助金制度をスタートさせました。
新型コロナや物価高対策として、経費の3分の2最大50万円を助成するというものです。
ところが・・・
コチラは、補助金を申請するための専用のウェブサイトです。
開いてみると、画面には「現在、申請受付を一時的に中止」との記載が。
その横で、現時点の申請状況を確認しようとすると…大きく「公開されていません」とエラーが表記されます。
静岡県 経営支援課 平山伸一課長
「2700件ぐらいの方がすでに申請をされて、その申請額の合計が10億円を超えていたという状況」
申請が殺到しすぎたことで、システムに不具合が発生した可能性もあるとみられています。
県の経営支援課によると、27日午前10時の受付開始からわずか1時間半で上限額に達し、現状は申請額が予算の8億円を大幅に超える10億円に達しているといいます。
補助金をめぐるトラブル、実は他にも発生していました。
それが…。「事業者の情報漏えい」
県によると申請した事業者から「他社の申請内容が閲覧できる」と情報が寄せられ、調査を行ったところ、少なくともすでに申請していた1社の事業者名や銀行口座、確定申告書の一部情報などが外部に漏れていたことが発覚しました。
静岡県 経営支援課 平山伸一課長
「こういった状況になってしまったことについては、直接影響を受けた事業者はもとより、いま利用できない状況で宙ぶらりんになっている方も多くいるというなかで、皆さんにはシステム障害を出してしまったことについて深くお詫びをしたいと思っている。」
県は、システムの運営を委託している業者に原因の調査を依頼していますが、復旧の見通しは立っていないということです。
補助金申請を予定していた企業は
新型コロナの拡大や、資材の高騰などが続く中、本来は中小企業にとって助け舟となるはずだった県の補助金。
申請を予定していた県内企業からはため息が・・・
静岡物産 増田学 代表取締役:
「今回の補助金については我々小規模事業者がいただきやすい補助金ということで、そういった面でシステムがいきなりダウンしたということで、うちも含めて残念だというのが(中小企業の)実感。」
こちらは吉田町にある金属加工会社「静岡物産」。
ビルの内装や窓枠などに使われるアルミの加工を行っています。
静岡物産 増田学 代表取締役:
「コロナでかなり受注が減ったところをなんとか営業しながらカバーしてきたところをここにきて物価高ということで、受注予定していたものが材料の素材変更によって失った仕事はある。」
そうしたなか、こちらの会社では生産管理の効率化などを図るため、パソコン4台とソフトの購入を決断。
その購入費に県の補助金を利用する予定でした。
静岡物産 増田学 代表取締役:
「私の同業者というか仲間でも期待してその(申請)時間に合わせて申請をしたが、結局システムがダウンしてしまったので、一体いつ申請できるのかと不安を抱えているところは多いと思う。早く復旧していただいて我々と同じような小規模事業者が、補助金をいただいて、なんとかお互いに経営を安定させていきたいと思っているので、ぜひ早い復興とさらなる支援を期待したい」
静岡県 経営支援課 平山伸一課長:
「我々としてはこんなことは2度とあってはいけないという形の中で、システム上どこに問題があってどんな影響範囲だったかと確認するのと合わせて必要な改修をして、利用者の皆さまに安心して情報を入れていただけるという形をしっかりとつくったうえで再開ということを考えているので、現時点でいつ再開ですということはめどはたっていない」