静岡市の「マルイ」跡地に進出する「駿河屋」とは? そしてその戦略とは?
林輝彦アナウンサー:
「静岡市の中心市街地にある旧マルイビル。このビルを駿河屋が買い取りました。駿河屋の店舗と本社機能がこのビルに移転されます。」
おととし3月に閉館した、「静岡マルイ」。
この場所に新たにオープンすることが決まった「駿河屋」は静岡市内に本社を置くホビー商材販売企業の「エーツ―」が運営しています。
9階建ての建物のうち、1階から3階が店舗、4階以上は本社機能として活用。
年間20億円の売り上げを目指すとしています。
そもそも「駿河屋」とは一体どんなお店なのでしょうか?
「駿河屋」とは
現在、静岡駅前で営業している「駿河屋静岡本店」を訪れてみると…。
すごい数の商品ですね、何点ぐらいあるんですか?
エーツー 宿島拓弥執行役員:
「この店で大体90万点ほど取り扱いしている」
「みていただくとわかるが、最近アニメをやったものなどのグッズ類が置いてある」
駿河屋は人気アニメのグッズやゲーム、漫画など、様々なホビー商品の買取・販売を行っているお店です。
その品ぞろえは業界トップクラスとされ、新品から中古品まで、ありとあらゆるホビー商品を取り扱っています。
店内には他にも・・・
エーツー 宿島拓弥執行役員:
「最近取り扱っているのが家電類とか、あとはこちらのスマートテレビですね」
「インターネット回線を通じてネットゲームをしたりとか映像を見たりとか、」
「もともとゲーム(の取り扱い)をやっていたので、そのなかで同じところの需要ということで取り扱いを拡大している」
去年から販売を開始したのは主にゲームやネット動画を見るためのテレビ。
こうした商品も消費者のニーズに応えて販売しています。
現在、駿河屋の店舗数は県内外におよそ100店舗。
年間の売上は330億円を超えるほどとなっていて、客足も年々増加しているといいます。
客 10代:
「結構来る、この駿河屋は。魅力は種類が豊富ですごく見やすい。あと、価格が意外と安くて手が伸ばしやすい」
ON 客 10代:
「好みのものがいろいろあって、ちょっと興味があってきた。「すとぷり」というグループのさとみという人がいるが、その人が好きなのでそのグッズを買いに来た」
推しなんですね?
「はい。(笑)」
母親 40代:
「私はあまり興味がないが、見ているといろんなものがあって楽しい。なかなか自分の家の近くには(ホビーショップが)ないので、少し出かけた時に一緒に来れたら楽しい」
駿河屋の戦略
駿河屋が移転進出を決めた静岡市の中心市街地。
おととし閉店した静岡マルイ以外にも、2011年にはかつての新静岡センターが新静岡セノバに生まれ変わり、2017年には静岡109が閉店、現在の東急スクエアが開業するなど、ファッションを中心とした街として時代と共に変化してきました。
そんな場所に今回、「ホビー」という分野で進出を決めた駿河屋。
企業としての成長の秘訣は一体どこにあるのでしょうか。
エーツー 宿島拓弥執行役員:
「我々がインターネット黎明期の頃に企業を起こさせて頂いて、商品のデータをずっと蓄積したというのが他社との差別化に繋がって、あとはインターネットでお客様が商品を探しやすい。こういったものを取り扱っているというのが分かる状況を作ってきたので、その辺が支持されているのではと考えている」
もともとはネット通販が主体だった駿河屋。
販売している商品をアピールするためには、HPへ1つ1つ取り扱っている商品のデータ登録が必要でした。
そのデータの蓄積を1997年の創業からおこなってきた結果、現在は2000万件を超える商品が登録され、業界トップクラスの品ぞろえを誇るようになったのです。
創業当時に作ったというHPを見せてもらいました。
Q「東海一の覇王」と書いてあるが、これはどういう思いを込めてつけた?
エーツー 宿島拓弥執行役員:
「静岡を起点とした企業なので、静岡で、駿河屋という名前で屋号を持たせていただいて スタートをしているので、そういった意味でまず東海からということで」
Qちょっと前のホームページってこういう感じでしたよね?
「それこそインターネットができた当初というのはこういうものが多かったので、ちょっと懐かしいものになる。僕も久しぶりに見たのでちょっと恥ずかしいのはありつつ懐かしいのもありつつという感じ」
ホビーのまちを掲げる静岡市の中心地に東海一を目指した駿河屋が満を持してオープンする、今回の大型店舗。
今後の事業拡大にも意欲を示しています。
エーツー 宿島拓弥執行役員:
「通販や店舗でやらせてもらっている中で、手応えは感じているので。全国もしくはインバウンドも含めて海外にアピールしたいなと思っているので、日本で最大級の店を作るということが僕らの目標」