避難者の数が7倍に? 富士山噴火想定の広域避難計画 協議会が中間報告
中間報告の内容を公表
静岡県
川勝平太知事:「広域避難計画の改定に向けて、溶岩流などからの避難の基本的な方針をご決定いただきました。これによりまして関係市町村の避難計画に反映出来る重要な成果が得られたものと考えております」
午後、川勝知事も出席した協議会で、中間報告の内容が公表されました。広域避難計画は、富士山の噴火を想定して作られたもので、火山の専門家のほか静岡県などが今年度中の改定を目指して見直しを進めてきました。
改定では「逃げ遅れゼロを目指し、安全に避難できる可能性を最大化する」ことを基本方針とし、加えて高齢者など支援が必要な人や登山客に関する避難対策を充実させる方針が示されています。今年度中の完成を目指していましたが、去年ハザードマップが改定されたことを受け完成が遅れていました。
富士山火山広域避難計画検討委員会
藤井敏嗣 委員長:「命を守るための避難でありますけども、そのうえで出来る限り暮らしを守るという観点に立った避難という方針で行ったものであります。また住民の皆さんにはこの機会に、もう一度ハザードマップを見直していただきたいと思います。自分にかかるリスクを知るということが自分の身を守るための備えの第一歩になります」
去年改定された富士山のハザードマップでは、溶岩流が到達する市街地の範囲が広がりスピードも早まることが明らかになっています。県のシュミレーションでは、噴火で火山灰などの火砕流が富士市や裾野市の北部赤線の部分まで被害が及ぶ想定です。
また地下のマグマなどは3時間以内に、富士市の海側、オレンジの線にまで到達するとみられています。
この分析を受けて中間報告書では、避難者の数はこれまでのおよそ1万6000人から11万6000人ほどと7倍に増えたとしました。その上で一部の住民は噴火前に避難する必要があると指摘しました。ただ住民が一斉に車で避難した場合、深刻な渋滞が発生し逃げ遅れの可能性が高まるとして『噴火後に徒歩での避難』を原則とする方向性などが示されました。
避難者の数が7倍に?
この分析を受けて中間報告書では、避難者の数はこれまでのおよそ1万6000人から11万6000人ほどと7倍に増えたとしました。その上で一部の住民は噴火前に避難する必要があると指摘しました。
ただ住民が一斉に車で避難した場合、深刻な渋滞が発生し逃げ遅れの可能性が高まるとして『噴火後に徒歩での避難』を原則とする方向性などが示されました。一方避難が難しい要支援者については、引き続き関係市町との調整を行いたいとしています。
富士山火山防災対策協議会
川勝平太副会長:「一旦噴火が起こった場合に噴火しているわけですから その中で徒歩でどのように安全な所に避難するかということの訓練は不可欠だと思います。訓練をいたしますればいざというときに被害が軽減されるであろうとということ言ってありますので、さしあたって訓練だと思います」
県は今後、火山灰や具体的な避難先について、関係機関と協議を行い最終的な計画を発表するとしています。