静岡県が認定こども園の送迎バス運行状況調査結果を発表 27日から立ち入り指導へ

静岡県牧之原市の園児死亡事件を受けて、静岡県が県内の認定こども園などを対象に行った送迎バスの運行状況調査の結果が発表されました。川勝知事は9月から10月にかけて総点検をして安全対策を講じると語りました。

画像: 静岡県が認定こども園の送迎バス運行状況調査結果を発表 27日から立ち入り指導へ

 川勝知事の定例会見が午後2時から開かれました。

静岡県
川勝平太知事(県庁 午後2時ごろ):「認定こども園等における送迎バスの運行調査の運行状況調査の結果が出ました。 牧之原市の認定こども園送迎バス内でのお子様の死亡事故を受けまして、再発防止を図るため、県では政令市と連携し、送迎バスを運行している認定こども園など対象に安全管理調査を実施いたしました」

 牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で送迎バスに置き去りにされ、3歳の園児が熱射病で死亡した事件。事件を受け、県は送迎バスを所有する保育施設や特別支援学校などに書面による緊急一斉調査を実施。どのような安全管理態勢となっているか、回答を求めていました。
 調査結果によると、県内で送迎バスを運行しているのは232施設。合わせて552台のバスが稼働しています。
 2021年7月、福岡県でバスに置き去りにされた5歳の男の子が死亡した事件を受けて、政府は登園時などにおいて、子どもの人数確認を徹底するように要請。今回の調査では、ほとんどの施設から対応を徹底しているとの回答がありましたが、8つの施設がダブルチェックなどの態勢を取れていないと回答しています。
 また、子どもたちがバスを降りたあとの車内点検について、およそ8割が運転手や補助職員ら複数で確認しているとした一方で、41の施設では、一人で点検していることが判明しました。

川勝知事:「県を挙げて認定こども園等への一斉調査をかけている。調査結果を踏まえ、来週から認定こども園等の立ち入り指導を実施していく。施設側に安全管理の重要性を現場で伝えていく。今後は特別指導監査の結果、書面調査における各施設からの報告を受けまして、ヒヤリ・ハット事例、これなども広く知らしめて、施設が常に危機管理意識を高く保つための継続的な注意喚起を行っていこうと思っています。
 また、県独自の安全管理指針などの策定もいたしまして、安全装置の活用についても検討して、できるだけ早期にこれを提示したいと考えている」

 静岡県は27日以降、対象となるすべての施設に立ち入りでの指導を行う方針です。

 川崎幼稚園の安全管理態勢の検証も進められています。事件の4日後、県と牧之原市は特別監査に着手。現在も元園長ら職員への聞き取り調査などを継続して行っています。
 結果次第では事業停止や施設の閉鎖、事業認可の取り消しなどの可能性があり、県は調査終了後、速やかに結果を公表する考えです。川崎幼稚園はあす午後、体調不良者が相次ぎ、中断を余儀なくされた保護者説明会を再開する予定です。

 事件発生から2週間余り、園は休園が続いています。在籍していた園児167人のうち、きょう時点で97人を市内の別の園で一時的に受け入れています。また、これまでに7人が園を退園したことが市への取材で新たに分かりました。

川勝知事:「初歩的なミス、言い換えると、やってはならないミスが起きた。お子様が降車された後のチェック。忘れ物がないとか、取り残されていることも今回あったわけですが、こうしたことをしないというのは、ほとんどなかった。今回の調査でも。したがって、文字通りいろはのことをしていなかったと私は受け止めております。そうしたことがなぜ起きたのかと。
 また、こうしたことが起こりうる可能性がかつてもあったのか等、詳細に検証しなくてはいけないと思っております」