止まらないガソリン価格の急騰 中小企業の経営を直撃

ガソリン価格の高騰が止まりません。静岡県内の運送会社でもあの手この手でコストを抑えようと工夫していますが苦しい状況は変わらないようです。

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止まらないガソリン価格の急騰 中小企業の経営を直撃

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 私たちの生活に大きな影響を与える“ガソリン価格”の高騰が続いています。

 資源エネルギー庁が先ほど公表した調査結果によると、全国のレギュラーガソリン価格が、1リットルあたり平均171円となりました。

 ガソリン価格の値上がりは6週連続。
2週連続で170円台を超えたのは、去年7月以来、およそ1年ぶりです。

 静岡市内のガソリンスタンドでは。

配送業 30代:
「かなり値上がりしてきているので、ちょっと高いかなと思う。通勤でガソリンは結構使うが、プライベートで遠出する回数を減らして、ちょっとでもガソリンを安くしようかなとは心がけている。」

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会社員 20代:
「170円を超えたらちょっとあんまり運転もしてられないかなという印象」

 止まらないガソリン価格の上昇。

 そもそもこうした状況はなぜ起きているのでしょうか─

アイカワ日の出店 竹澤義明 主任
「やはり円安がずっと続いているということ。円安の予想がつかないという状態で、やっぱり高騰が続いている。一応、国の政策に関して補助金。1月から始まっているが、だんだん10月には止めるといった感じになっているが、もし10月以降(補助金が)切れてしまったら今の価格より3円くらい上がるといった状態で、厳しい状態になると思う。」

 不安定なウクライナ情勢や円安の影響などで、原油価格が上昇したことを受け、政府は石油元売り会社に補助金を支給し、小売価格の急激な上昇を抑制していました。

 こちらが補助金が始まってからのガソリン価格の推移。

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 1リットルあたり170円を超える時期が続くなど、高止まりの状況でした。

 しかし、もし補助金がなかった場合はこちら。

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 1リットルあたり215円を超えていたはずの時期もあり、補助金が大きくガソリン価格の上昇を抑えていたことが分かります。

 しかし、この補助金は6月から段階的に引き下げられ、9月末には終了する予定。

 そのため、ガソリン価格の高騰は今後も続く可能性があります。

Q.この状況が続くことはスタンドからしても厳しい?

アイカワ日の出店 竹澤義明 主任
「厳しい。非常に厳しいと思う。」

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 27日、こちらのガソリンスタンドのレギュラーガソリン価格は1リットルあたり175円。
販売側としても、収益面でギリギリの価格設定だといいます。

アイカワ日の出店 竹澤義明 主任
「僕らの方は仕入れに基づいて(価格を)上げているだけなので、利益とかそういったものは一切ない。やはりお客さん自体が減っているというのが現実。多分お客さんから安いスタンドとかを探していると思う。」

運送会社では

 こうしたなか、日々燃料を使わざるを得ない物流の現場では・・・

画像1: 運送会社では

 静岡市内にあるこちらの運送会社。

 運搬しているのは主に食品や自動車部品、精密機械などです。

 静岡県内や関東・愛知県への運搬が中心ですが、遠い所だと西は兵庫県、東は群馬県まで荷物を運んでいます。

Qトラックの紹介をお願いします

山崎運輸 山﨑俊昌 社長
「こちらになります。」

Q大きなトラックですが何トン車?

画像2: 運送会社では

「これ最大積載13トンの車になります」

Qどんな物を運んでいる?

「こちらの車が精密機器関係を運んでいて、奥の車が自動車部品関係を運んでいる」

「こちらの会社は大小35台のトラックを所有していて、1週間の移動距離は1台あたり2000km~2500㎞。

 北海道から鹿児島までの距離と同じくらいです。

 日々、長い距離を走っているため、燃料価格の高騰は、まさに死活問題です。

山崎運輸 山﨑俊昌社長:
「当然燃料を入れないと走れないので、当然入れて走るが、売り上げに対する燃料の比率が上がっているので、最終利益にも影響が出ている。」

 燃料コストを少しでも抑えるためこちらの会社では、「インタンク」と呼ばれるミニガソリンスタンドを自社の敷地内に作って給油を行っています。

山崎運輸 山﨑俊昌 社長:
「ガソリンスタンドで入れる場合とインタンクで入れる場合、インタンクで入れる方が当然安くなるので、そういったところで極力燃料を入れる形をとっている。」

画像3: 運送会社では

 「インタンク」は、燃料を元売り業者から直接仕入れることができるため、ガソリンスタンドを利用するより、コストを抑えることができます。

 しかし、ここ1~2年、インタンクで給油しても、ガソリンスタンドとあまり変わらない状況になったといいます。

 その要因は…

山崎運輸 山﨑俊昌 社長:
「インタンクに持って来るタンクローリーがあるが、当然このローリーも運送会社が運んでいるので、そこの運賃が上がっているので、そこの価格差が減っている。」

 それでもこちらの会社では、運賃の値上げをしないで、企業努力でコスト削減に努めてきました。

画像4: 運送会社では

 しかし、それも限界に近づいてきているといいます。

山崎運輸 山﨑俊昌 社長:
「未来を削って車両の購入を控えたり、働いている社員の給料に手をつけることはしたくないので、そういったところ(ガソリン代の高騰)運賃に転嫁できるような形がとれていければいいかなと思っている。」

画像5: 運送会社では