【リニア】静岡・川勝知事「遅れは神奈川の責任」に神奈川・黒岩知事「着実に進んでいると確認」 川勝知事は来月リニア試乗へ
静岡県 川勝平太知事(4日):「JR東海の社長がぜひ川勝にリニアに試乗してほしいと言われて、日にちが11月2日になりました。それで、もしよろしければ、確か数両編成なんですよ、あれ。だから私は(ここに)来られた人、みんな乗ったらどうでしょう?」
川勝知事が市長町長に「皆さんも乗りましょう」
川勝知事からの、突然の“お誘い”でした。
山梨県にあるリニア実験線に一緒に乗らないかと、市長や町長に呼びかけました。
静岡県 川勝平太知事(4日):「(実験線は)43km出来ているそうです。私は2000年に乗ったんですけど、その時は時速500kmに達して、スッと減速したわけですね。これが43kmなので、しばらく体感できる。だからご関心のある方、金子社長のお招きですので、ちょっと11月2日、何曜日でしょうか?」
(水曜日です)
川勝知事:「水曜日ですか、よろしくお願いします」
リニア開業の機運高める動きも
2027年に品川-名古屋間の開業を予定する、リニア中央新幹線。大井川の水資源や南アルプスの環境問題をめぐる議論が続いていて、静岡県は県内でのトンネル工事着工を認めていません。
一方、県外では開業に向け、少しずつ機運を高めようとする動きも…。
神奈川県相模原市(1日)
さっそうと走るリニア新幹線。映像はプロジェクションマッピング、上映場所はリニア神奈川県駅の工事現場です。工事への理解を深めることを目的に、JR東海がきょうまで4日間にわたって開催。延べおよそ2600人の予約枠は、全て埋まっているそうです。
このイベントが始まる、1時間ほど前。神奈川県の黒岩知事とJR東海の金子社長らが現場を視察しました。
JR東海 金子慎社長
「あの(駅の)辺りは公園に。重たいものは建たない」
神奈川県 黒岩祐治知事
「そうなんですか? 最初聞いたとき、こういうビルを造ると言っていたけど」
JR東海 金子慎社長
「周りはできるんですが、駅の上にはできません。可能性はすごく大きくて、ここにリニアができて、あそこに京王線・JRも通っていますから」
相模原市 本村賢太郎市長
「京王線は移設の予定なので」
JR東海 金子慎社長
「非常にいい感じのスペースになりますね」
穏やかに話が進む中、同行していた地元選出の国会議員が黒岩知事に対して…。
神奈川14区(相模原市緑区など)選出 赤間二郎衆院議員
「静岡県知事が…」
神奈川県 黒岩祐治知事
「その現場を見てきましたから。ちゃんと裏を取ってきましたから」
「静岡県知事」「現場を見て裏取り」…。そこから連想されるのは…。
川勝知事「2027年の開業を不可能にしたのは神奈川のせい」
静岡県 川勝平太知事(9月22日):「一義的には神奈川県が完全に2027年の開業を不可能にしたと思いますね。用地買収の交渉はですね、神奈川県に委ねられているわけですよ。いわゆる車両基地が、まだ半分しかできていない」
「車両基地を建設するための用地取得が5割しか進んでおらず、2027年に開業できないのは神奈川県の責任」だという、川勝知事の持論です。
JR社長「神奈川のせいで工程遅れている認識はない」
イベント終了後、黒岩知事と金子社長が取材に応じました。
JR東海 金子慎社長:「ちょっと、どういう根拠や趣旨でそうおっしゃったのか、なかなか理解し難いところがあります。神奈川県のせいで全体の工程が遅れているとは、私どもは全然認識しておりません」
神奈川県 黒岩祐治知事:「私たちもしっかりと現場を見てくることは必要だなと思って、きょう、しっかり見てきました。これは、パッと外から見ただけではわからないんですね。住宅がそこにある方は、その住宅を移転して頂かなくてはいけない。難しい形があるんですが、住宅の部分でいうと8割になっているということですね。8割の方が了承してくれていることになる。これから進めていくのは森林的な所なので、これから先の用地買収は、もっと容易になってくる。車両基地になるはずの所に、まだ(住家が)建っているじゃないかといっても、実は調べてみると、その家は契約済みだと、了解されていると、そういった家が実はもう8割に及んでいるということを2027年(開業)ということから考えれば、着実に進んでいることを私は確認できたので、金子社長にも話をしたところ、『スケジュール通りいっている』という話なので、我々としてはそういうメッセージを、私たちの口からお伝えしたい」