JR東静岡駅北口の市有地にアリーナ施設誘致…相次ぐ「ハコモノ」計画に専門家は「説明必要」 静岡市

 1日の静岡市議会。民間主導によるアリーナ施設の誘致場所について、JR東静岡駅北口にある市有地に決定したことが明らかになりました。

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 ようやくこぎつけた誘致場所の決定。このアリーナ建設について、田辺市長は。

静岡市 田辺信宏市長:「これからのアリーナは、やはり今まで静岡でできなかった大規模なコンサートをしたり、あるいは国際レベルのスポーツの試合をしたり、そういった規模感を伴いつつ、事業性も高めていくという取り組みにしたいと思っています」

 市長が期待するアリーナ誘致。その意図は?

プロスポーツやコンサートなどが実施できる規模に

画像1: プロスポーツやコンサートなどが実施できる規模に

 当初の構想からおよそ30年。近くにある県の「このはなアリーナ」が最大4000席に対し、新しく建設するアリーナの客席は5000~1万程度を想定しています。プロスポーツや人気アーティストのコンサートなどが実施できる規模にすると静岡市は訴えます。具体的なスケジュールについては、今後検討するということです。

画像2: プロスポーツやコンサートなどが実施できる規模に

静岡市 田辺信宏市長:「これからのアリーナは、やはり今まで静岡でできなかった大規模なコンサートをしたり、あるいは国際レベルのスポーツの試合をしたり、そういった規模感を伴いつつ、事業性も高めていくという取り組みにしたいと思っています。市民の皆さんの期待に応えられるようなアリーナにしていきたいと、これからいろいろ意見をもらっていきたいなと思っています」

相次ぐ大規模事業

 静岡市では、このほかにも、様々な大規模事業の計画が進められています。

画像1: 相次ぐ大規模事業

 葵区の駿府城公園近くには歴史博物館が来年開館する予定。総事業費は62億円で、静岡市の歴史を発信する拠点として工事が進められています。さらに、清水港では、コロナ禍で凍結していた、海洋文化施設の整備計画が再開される見通しです。

画像2: 相次ぐ大規模事業

 静岡市議会では、この海洋文化施設についても論戦が交わされました。

創成静岡 安竹信男市議:「コロナ禍における、箱物づくり施策が妥当なものか、多くの市民から問題が提起され、説明責任が問われてきました。海洋文化施設整備事業の再開をなぜ、いまするのか、創成静岡はコロナ禍のもとではこの事業の再開は時期尚早であると」

静岡市 田辺信宏市長:「世界レベルの国際海洋文化都市としての清水港の価値を高めていく準備を進めています。来るべき、ポストコロナ時代を見据え事業関係者の機運が高まってきています。このいまこそ、チャンスを逸することなくリスタートをきることで、これを起爆剤として、民間投資を促して、清水港周辺の地域経済の活性化につなげてまいりたいと思っております」

専門家「ハコモノがいけないわけではないが、しっかりとした説明が必要」

 静岡市で続く「ハコモノプロジェクト」。専門家は「市民へのしっかりとした説明」が必要だと指摘します。

画像: 専門家「ハコモノがいけないわけではないが、しっかりとした説明が必要」

静岡大学 井柳美紀教授:「ハコモノそのものがいけないというよりは、それが本当に市民にとって、町にとって必要なのかどうか、そこが一番のポイントではないかと思います。そのことを市がきちんと住民に対して、市民に対して、説明できているかというところが重要かなと思います。静岡市ではハコモノの話がたくさん一度に出てきていますけども、コロナ禍の中でいったんいくつかの大型のハコモノ事業を止めている、白紙にしていますので、そういったことも実例としてありますので、コロナ禍でいろいろ財政的に経済を支えていかないといけない時期に、これだけ一度に多くのハコモノ行政を進めていいのかというのも考える必要があるかなと思います」

 また、清水港の海洋文化施設については。

静岡大学 井柳美紀教授:「清水はやはり活性化が必要で、かなり町も疲弊している部分があるので、市が活性化に向けて、何らかの対策をすることは重要だと思うんですけども、それが本当に海洋文化施設なのか。これについては、財界からの要望があると言われていますけども、では、市民にとってこれが本当に必要なのかというところがもう一度説明なり、市民の中での理解が深まるとか、そういったことが必要なのではないかなと思います」

 さらに、静岡市などがJR清水駅前に新たに清水エスパルスの本拠地として、サッカースタジアムを建設する構想もあります。4月には、静岡市や県、地元企業をメンバーとする検討会議が設置される見通しです。