インフルエンザが季節外れの流行 医師「ずっと流行しているのが問題」 教師「冬の病気と思っていたのに…」 静岡市

静岡県感染症管理センター 後藤幹生センター長:「インフルエンザはコロナの始まった2020年の春先以来、ずっと3年近く、ほとんど感染者が発生していませんでした。8月下旬から急速に上がってきて7人台まで増えており、10人がインフルエンザの注意報レベルになりますので、来週ぐらいには(今週ぐらいに)発表される数値では注意報レベルになることも懸念しています」

 8月下旬以降、急激に増えてきたインフルエンザの感染者。県が出している調査によると、8月28日~9月3日の定点あたりのインフルエンザ患者数は2.19人、4日~10日は4.79人、そして11日~17日は7.98人と、週を追うごとに、どんどんと増えてきています。

 また、教育現場でも異変が…。9月4日から27日までで、県内157の施設で学級閉鎖の数が約300患者数は2800人以上となっています。新型コロナの感染が続いている中で懸念される季節外れのインフルエンザとの“ダブル流行”。静岡市内の小学校でも警戒感が強まってきています。

堀優奈アナウンサー:「新型コロナの流行が再び広がる中、いま、季節外れのインフルエンザの感染にも警戒が必要となっています。こちらの小学校では、感染対策として、休み時間の手洗いを徹底しています」

 静岡市立中田小学校。28日時点で学級閉鎖こそ起きていませんが、複数人の児童がインフルエンザに感染しはじめているといい、季節外れのインフルエンザの発生に学校側も不安が募っていました。

市立中田小学校 長坂純子教諭
Q.いつごろからインフルエンザの感染があった?
A.「夏休み明けてから1カ月ほどだが、夏休み明けてから少しづつ増えてきていると思う」

Q.昨年はインフルエンザに感染する子はいた?
A.「昨年の夏休み明けはインフルエンザは無かったコロナの心配だけしていた。インフルエンザは冬の病気と思っていたので、この時季にインフルエンザというのは、今年初めて」

児童たちは

 児童たちも、新型コロナやインフルエンザにかからないようにするために、普段から行われている手洗いの大事さを感じているようです。

中田小学校 児童
Q.手洗いは大事?
A.「はい」
Q.どんなところに気を付けている?
A.「爪の隙間に汚れがたまっているので、そこまできちんと洗えるように気を付けています」

中田小学校 児童
Q.手洗いはお家でもしている?
A.「学校から帰ってきたらします」
Q.コロナやインフルエンザの感染防ぐためにやっている?
A.「そうです」

 こちらの学校では夏の時期はエアコンをつけていますが、換気を行うために、窓を少し開けた状態にしているといいます。

市立中田小学校 長坂純子教諭:「インフルエンザもコロナも私たちにできることは、手洗い、消毒、食事の時の配膳のマスク、前を向いて今できることをこれからも繰り返していくしかない」

なぜ、季節外れの流行

 なぜ、季節外れのインフルエンザが流行しているのか? 県の後藤センター長は…。

感染症管理センター後藤センター長:「本来、県では毎年30万人以上の方がインフルエンザにかかっているという状況がございましたが、3年間全く感染者が出なかったということで、免疫が低下した方がたまってきているという状況で、今後も通年性でインフルエンザが数年間は見られるというふうに予想しているところになります」

小児科では…

 今回の感染拡大、主に子どもの間で広がっているようです。

キッズクリニックさの 佐野正院長:「コロナは全年齢的に流行しているが、インフルエンザは昔から学童が多い病気なので、小中学校を中心として流行してくることになると思う」

Q.この時期のインフルエンザの流行について

A.「早く流行しだしたというよりも、ずっと流行しているというところが問題で、昨年末から1月から切れ目がなくインフルエンザが少しだが増えつつある。インフルエンザは一般的に、乾燥と低温の方が増えやすいウィルスなので、これから秋冬に向かって乾燥と低温が強くなってくると増える菌が高くなると思います」

 新型コロナも「警報」という状況の中、インフルエンザとの“ダブル感染”というのは起こるのでしょうか?

キッズクリニックさの 佐野正院長
Q.コロナとインフルエンザの“ダブル感染”はある?

A.「理論的にはあるが、確率的には非常に少ないと思う」

 インフルエンザの予防接種は10月から本格的に始まるため、新型コロナとインフルエンザ、両方のワクチンを打つことが勧められています。

感染症管理センター 後藤幹生センター長:「ぜひ(新型コロナとインフルエンザ)両方のワクチンの接種の御検討をお願いしたいと思います。なお、両ワクチンにつきましては、同じ診察で同時に打てるという接
種は可能ですので、こうしたことも希望する方はぜひ、接種される先生にご相談をいただきたいと思います」