JR静岡駅南口どんなデザインに変えていきますか?


静岡市の難波市長はJR静岡駅南口の広場を拡大すると発表しました。その背景に何があるのでしょうか。

難波喬司市長 9月27日:
「駅前広場はですね。非常に混雑をしています。人に優しくないという状況にあります。」

 静岡市の難波市長が指摘したのは、JR静岡駅南口にある駅前広場について。

 東海道新幹線の改札からほど近い南口の駅前広場。

 供用開始から30年が経過していて、ロータリーでは広さの問題からバスやタクシーの乗降スペースが十分でないことや、混雑時には一般の送迎車が多く滞留するなど、待ち合いスペースの“不足”が課題となっていました。

 こうした中で、難波市長は静岡駅南口にある広場を拡大する、
「拡張整備事業」を始めると発表したのです。

 現在の南口駅前広場の面積はおよそ5000平方メートル。

 面積をどのくらいまで拡大するか具体的には決まっていないものの、現在、ロータリーの東側にあるビルなどの関係者からは、土地の確保に向けて協力を得られたということです。

難波喬司市長 静岡市役所 9月27日
「こうなったらいいよねってみんなが思っていただけるようなものの計画が作られる。そのためには関係者のやっぱり合意形成が大事ですから。共に作る共創と言っていますから、未来図を一緒に描いて、じゃあそれ一緒にやろうねというような計画にしたいと思っている。」

駅の利用者は

 行政側が動きを見せ始めた中で、駅の利用者は「南口」をどう思っているのでしょうか。

愛知から帰省:
「南口は昔からあまり変わらない」

「北口が結構使われているので、そっちに負けないぐらいきれいになればいい」

Q:不満は?

「一時的に止められるスペースが少ないので使いづらい」
「もう少し清々してくれれば」

タクシードライバー:
「一般車両の乗り入れが多いじゃないですか、下手したらタクシーのコンコースに車を置いちゃうんですよ、空いていると。一般車両のちゃんとしたお迎えの場所ができればいいと思う」

駅の利用者は

都市デザインの専門家と考える

“不満”の声が数多く上がった静岡駅の南口駅前広場。

 静岡市葵区の呉服町商店街や静岡駅北口広場のデザインに携わった都市デザインの専門家と共に、現地を取材しました。

静岡文化芸術大学 川口宗敏名誉教授:
「駐車場とバス停で、タクシーの駐車場がみんな混み合っているのではないかと思って、この狭い空間の中でやるから、どうしても誰がやってもこうなってしまう。このビルがもし移転するならば、そのビルを含めて裏側も含めてロータリーの機能を向こうへ全部に移転するぐらいのものを持って、ここを公園なり広場なりしてもらうとイメージが変わったかなとは思うのですね。」

Qバスも実際通りづらそう

「ええ実際通りづらいですよね。これマイカーで来て、あるいはタクシー乗ってきてもそこで降りるけど、混んでいるラッシュアワーのような時は、運転者はみんな困っている。」

 静岡駅の北口はタクシーとバスのロータリーが分かれているのに対し、南口は一緒になっています。

 さらに、建物や商店街の発展の仕方などでも北と南で差が出ていると指摘します。

静岡文化芸術大学 川口宗敏名誉教授:
「北側のイメージと南側のイメージの格差が既にあると、(南側を整備するなら)ある意味では画期的なことをやらない限り、つまり大きな手術をしない限り変わったなというふうに市民は思ってもらえないのではないかと思う。」

Q北口と比べて全然違う?

「量と質が違うと、簡単に言いますと。もっと言うとお金をかけ方が違うのかもしれません。」

Qでは、南口はどのように変わっていくのが良いのでしょうか。

ON 静岡文化芸術大学 川口宗敏名誉教授:
「例えばコンコースから見るときに、そこに森とかイベント広場とか、そういうふうな人々が駅を使うのではなくて、その施設を主目的として来るようなスペースがあるのが理想であると、例えばそれはイベントを行うような広場であったり、マーケットが開催されて定期的にそこでもって市場が開かれたりとかいうような、そういう人が来るような空間があれば、賑やかというか人が集まるスペースになるのではないかと思います。」

 実際、難波市長もただ面積を拡げるだけではなく、もっと南口が活気あふれるような場所にしていきたいと思っているようです。

難波喬司市長 9月27日:
「できるだけ多くの方々が集まれるような場所ですね、そして魅力ある場所、そして高度利用されている場所、そういうとこにしたいと思っている。こんなのができるのかという皆さんがわくわくするようなものになるようにしてきたいなと思っている。」

 静岡市は有識者や交通事業者などによる検討委員会を設置し、
6日、1回目の会合が開催される予定です。

 今後の計画案を作っていき、その上で新しい駅前広場は、2030年代前半の供用開始を目指す方針です。

 新幹線の改札に近い静岡駅の南口。

 静岡の玄関口として全国に注目されるような“驚き”と“利便性”が今後の再開発で求められるのかもしれません。

静岡文化芸術大学 川口宗敏名誉教授