辞職勧告決議から返上を公言していた給与とボーナスを満額受け取っていた静岡県の川勝知事 議会や御殿場市民の受け止めは
(バンザイ)「川勝知事当選」
おととし6月の知事選で、自民推薦の候補を大差で破り4選を果たした川勝知事。
7月5日、4期目の任期の折り返しを迎えました。
その一方で、歯に衣着せぬ発言が、たびたび波紋を呼んでいて
4期目に入ってから、およそ3カ月後の発言が発端となった騒動がいまだ尾を引いています。
川勝知事 浜松・中区 おととし10月:
「あちらはコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている。あちらは観光しかありません。それしか知らない人間が静岡県全体の代表の参議院議員になってどうするんですか。ダメです」
おととし10月、参院静岡選挙区の補欠選挙の応援演説で、前御殿場市長の自民党候補を念頭においた「御殿場にはコシヒカリしかない」という、いわゆる「コシヒカリ発言」が物議をかもしました。
県議会最大会派、自民改革会議の県議らはこの発言を問題視。
県政史上初となる知事の辞職勧告決議が可決されました。
それを受け、川勝知事は辞職を否定した上で…。
川勝知事 おととし11月:
「極めて深刻に受け止めている。来年は生まれ変わったような人間になってみようと富士山に誓いました。「自らにペナルティを課す」と考えるわけですが、差しあたって年末の手当・ボーナスとか12月の公給は全額県民の皆様に返上しようと思っている」
このとき知事は、「自らペナルティを課す」として、2021年12月分の給与などおよそ440万円を返上する意向を示していました。
ただ、報酬を返上するためには県議会で条例の改正が必要となります。
そのため、知事は県議会12月定例会で条例改正案を提出しようと動いていましたが、自民改革会議は「辞職を勧告したのであって、給与の減額を求めたわけではない」と条例に反対する姿勢を見せたことから、知事は条例提出を見送り、結局全額が支給されました。
そして、その後も返上に向けた条例案提出などの大きな動きはありませんでした。
3日所得報告書が公開
そんな中、3日公開された去年の知事の所得報告書によると、
おととしに続き、去年も給与やボーナスを全額支給されていて、返上していないことが分かりました。
これについて、知事は4日報道陣の要請で急遽、取材に応じました。
川勝知事 県庁 4日:
「返上しておりません。議会にボーナスの返上を申し出たがそれが受けられなかった。「給料返上によってケリを付けたと思ったら大間違いだ」とそういう形でケリを付けさせないんだという意見があったので、そうせざるを得なかった」
条例提出に反対されたため、給与などを返上できなかったと説明。
その上で…。
川勝知事 県庁 4日:
「不適切な発言は致しませんと。生まれ変わりましたと。それからまた人様の選挙には出ません。それは破った時には辞職ということであります。そういう形になっています。以上です。」
自民改革会議は
今回の件について、県議会最大会派の自民改革会議は…。
自民改革会議 増田享大代表:
「知事当局から(条例の改正の提出が)必要だが、それがなされていない状況なので、議会としても判断するに至っていないので、あくまでご自身が自らの意思で発言した内容なので、本人の意思が行動に伴っていないという客観的な状況だと思っている」
Q議会が返上をもって良しとするなという話を知事がしているが?
「ちょっとそこは確認をしないと。ただ公の場、議場とか委員会の審議の場で出た話ではないと私の調査上ではそう思うので」
ふじのくに県民クラブは
一方、知事を支える県議会第二会派のふじのくに県民クラブは、川勝知事と、この件について話したといいます。
ふじのくに県議団 田口章会長:
「辞職勧告が突きつけられている現実は現在も続いているので、やはり誠心誠意県政運営にまい進してほしい。やはり政務活動を行わないとか、不規則発言をしないと言っているのでそこは身を律してほしい」
御殿場市民は
「コシヒカリ発言」で注目を集めた御殿場市。
知事が給与やボーナスを返上していなかったことについて、市民はどう感じたのでしょうか…。
御殿場市民 60代:
「そういうこと(給与・ボーナスを返上する)を言っていたのにそれを実行しないのは、びっくりした、業務に専念すると言っていたが、そんな当たり前の言い訳…」
御殿場市民 50代:
「県のトップに立っている、立場の方なので、ボーナス返上すると言ったので1回ぐらい返上するとか、そういうことをやった方がいい」