「コシヒカリ発言」~辞職勧告決議からの給与・ボーナス返上問題「議会の場で自身の考えを述べたい」 静岡県・川勝平太知事
川勝知事 県庁:
「私は御殿場に対して大変強い愛着をずっと最初から持ってきた。しかしながら、不適切発言があって大変迷惑かけたと言う気持ちがございますので、何とかそれを償いたいという思いは今も一貫してございます」
川勝知事が不適切な発言を行った自身へのペナルティーとして給与やボーナスの返上を表明していたものの、それが実行されていなかったことが明らかになった問題。
11日定例会見を開いた川勝知事はこの問題について言及。
関係者によると、県議会9月定例会で給与などの返上に必要な条例案を提出する方針だということです。
事の発端
事の発端は、おととし10月の参議院静岡選挙区の補欠選挙で浜松市議や県議を務めた経験のある候補者の応援にかけつけた時の発言です。
候補者にゆかりのある浜松市と御殿場市を比べ、「御殿場市にはコシヒカリしかない」と放った川勝知事。
いわゆる、この「コシヒカリ発言」が物議をかもしました。
当初、川勝知事は発言について「誤解」と強調していましたが、世論の反発も高まり、最終的に発言を撤回し、謝罪しました。
ところが、県議会最大会派・自民改革会議の県議らはこの発言を問題視。
県政史上初となる知事の辞職勧告決議が可決されました。これを受け、川勝知事は…。
川勝知事 おととし11月:
「極めて深刻に受け止めている。来年は生まれ変わったような人間になってみようと富士山に誓いました。「自らにペナルティーを課す」と考えるわけですが、差しあたって年末の手当・ボーナスとか12月の俸給は全額県民の皆様に返上しようと思っている」
この時、川勝知事は自ら「ペナルティ―を課す」として、
2021年12月の給与とボーナス、あわせて440万円余りを返上する意向を示していました。
ただ、知事が報酬を返上するためには県議会で条例を改正する必要があります。
知事側は、県議会12月定例会で条例改正案を提出しようと動いていましたが、自民改革会議は「辞職を勧告したのであって、給与の減額を求めたわけではない」と条例案に反対する姿勢を見せたことから、川勝知事は提出を見送りました。
結果的に、返上の意志を示していた給与やボーナスは全額支給されることに。
県議会最大会派の自民改革会議は
この“支給の事実”が先週月曜に公開された「知事の去年の所得」によって明らかになったことで、再び脚光を浴びたのです。
コシヒカリ発言をめぐっては「辞職勧告決議」にこだわっていた県議会最大会派の自民改革会議も、11日改めて取材に応じました。
自民改革会議 増田享大代表:
「知事が自ら進んで発言していることだから、本来なら自身が対処すべき。進んでいったことは進んで行動に移すという、言葉と行動が一緒になるというのが本筋だと思っている。
給与の返上について、なぜこれまで議会では追及していなかったのでしょうか。
自民改革会議 増田享大代表:
「1年7~8カ月ぐらい経過しているが、そこはチェックする側、当局側のこともあるが、知事のほうから当局側に相談や議会に正式な相談がない状況下であったので」
11日定例会見
11日定例会見を開いた川勝知事。
今回の“給与返上問題”について説明しました。
川勝知事 県庁 午後2時ごろ:
「知事の報酬は、皆さんご承知の通り自分で決められません。
条例として提出して、議会で承認を賜らないといけないわけです。2月議会というのは一緒に仕事をしてきたアドバイザー2人が解職に追い込まれるという、非常に厳しい議会でした。
ですから、2月議会は統一地方選挙、その直前ということで、
今回の6月議会でもこの議論が出てこなかったので、私はこれはもう出せないと。出しても(議会で)通らなければ、なんのためかってことになりますから。したがって、そういうふうに思っていました」
Qご自身で去年表明されたことですので、それを放置されている状態でいるっていうのは、政治家としての信頼を失うような気もするがその辺りはどうお考えでしょうか?
「放置をするというのは違います。御殿場に迷惑をかけたので、御殿場に対して特段にですね。何か力になれるようにするというふうにして、この問題に真摯に向き合おうとしてまいりました」
川勝知事は「議会の場で自身の考えを述べたい」としていて、関係者によると次回の県議会9月定例会で、条例改正案を提出する方針です。