静岡・三島市がメルカリ出品(後) 背景には深刻なごみ問題 埋め立てごみは年間8000万円かけ県外に /ニュースの現場

 まだまだ使える粗大ごみを格安で販売する三島市。メルカリショップを始めた背景には、ひっ迫したごみ問題がありました。

三島市は「ごみが多い」

静岡・三島市廃棄物対策課 橋本泰浩課長:「三島市は元々ごみがかなり多い街、同じ程度の人口規模を持つ県内の市の中でごみが一番多かった」

廃棄物対策課 橋本泰浩課長

 こちらは2015年度、県内の人口10万人以上の都市を対象に、環境省が調べた1人1日あたりのごみの排出量のグラフ。三島市が999グラムと県内でワースト1位でした。

1人1日あたりのごみ排出量

 三島市のごみ問題は8年が経った今も…

伊地健治アナウンサー:「広い場所が出てきましたけど、ここは?」

三島市廃棄物対策課 山添豊さん:「最終処分場です。焼却した灰を固めたものや陶器やガラスを砕いたものを埋めている。元々は大きな穴があった」 

最終処分場

埋め立て用の穴もほぼ満杯に…

 こちらは27年前の最終処分場のようす。真ん中には大きな穴が空いていましたが、現在は、焼却灰などでほぼ埋まってしまいます。

三島市廃棄物対策課 山添豊さん:「いまでは約92%埋め立てられています。災害時に緊急的に処理しないとならないので、数%の余白を作っておかないとならない。ということで県外に焼却灰などを搬出しています。お金を払って年間約8000万円かかっている。全て税金で賄われています。ごみを減らせば、それが減ります」

27年前の最終処分場

 ごみを減らすため、三島市ではアルミなどを資源に戻す作業を行っています。いわゆるリサイクルです。これには、人件費や機械の維持費などお金がかかってしまいます。

 ごみ処理にかかる費用を減らすため、リサイクルよりもリユースが大事だということを、市民に知ってほしいと三島市の山添さんは言います。

 リユースを促進しようと、未使用の食器やまだ使える子ども服を無償で提供するイベントも開催しました。

 その成果かワースト1位だったごみの排出量は、2021年度には県内ワースト4位と少しずつ改善してきています。

 去年5月、県外の自治体がメルカリショップを始めたことを知り、今年9月からまだまだ使える粗大ごみの出品を始めました。

三島市 廃棄物対策課 山添豊さん:「市民のみなさんにリユースの意識を高めてもらう。その副産物としてお金が入ってくる」

 取材したこの日も出品していました。計21点。

三島市の山添さんと伊地アナ

三島市廃棄物対策課 山添豊さん:「公開する。これで日本中、世界中で品物が見られます」

メルカリに出品する山添さん

 商品をアップしてから5分後。

三島市の職員:「売れました」
山添さん:「ベビーゲートとフタ付きのプラスチックケースが売れました」

伊地アナ「いや〜、すごい人気ですね。出してすぐ2点売れました」

5分後に…

 赤ちゃんを守るベビーゲートが1000円。さらにプラスチックケースの2個セットが500円で売れました。

 10月には三島市に続いて、掛川市と菊川市が共同でメルカリShopsをスタート。およそ100点を出品し、8割以上が売れているそうです。

 多くの自治体が悩んでいるごみ問題。このようなユニークな取り組みが解決への一歩になるかもしれません。