東アジア文化都市のレガシー施設を三島市に作る構想 川勝知事が白紙撤回を表明し県議会に謝罪
川勝知事が経済界との懇談で東アジア文化都市のレガシー施設を三島市に作る構想を語り、「詰めの段階」と発言した問題。議会から発言の訂正を求められていた知事は6日構想の白紙撤回を表明しました。
自民 県議会 総務委員会 西原明美委員長
「3回に分けて審査をした結果、基本的には何も決まっていない事実が判明して。また詰めの段階であったというこの件について訂正をしていただきたいという申し入れなんですけど」
川勝知事:
「訂正をするほどのことではないと思いますが、何も決まっていない、しかしながら、使い方としてはみんなの役に立つようなものとして今やっている方との関係で、とりあえず、提案をしたと。お聞きになった商工会議所の方たちは好意的に受け止められていたというふうに承知している」
西原明美委員長:
「ただ具体的にいろんなことを言っていることが問題であって・・・」
川勝知事:
「具体的なことが明らかになって良かったと思っている」
発言の訂正を拒否した川勝知事。
その姿勢は1日に開会した県議会でも…。
川勝知事 県議会 1日:
「今回の発言は東アジア文化都市のレガシー創出に向けた思いを語ったものであり、現時点で何も決まっていない。そのため訂正はしないが今後、県議会の皆様をはじめ広く議論していただければと思っている」
「おかしいだろ!」
議長室で
川勝知事の対応を問題視した自民改革会議は、本会議での発言の訂正を求める決議案の提出に向け各会派と調整。
そして、6日午前…。
県議会 中沢公彦議長:
「本決議案は原案通り可決されました」
今回の“レガシー構想”に関する発言の「訂正」と二度と不用意な発言をしないことを求めた決議案は、知事に近い会派も含め全会一致で可決。
その後、休憩になると・・・
呼び出しを受け、川勝知事は議長室へ
自民 中沢公彦議長
「決議について、本議会は12月6日の会議において
全員一致で別添の通り決議したので通知します。
6月・9月・12月と毎議会のごとく問題を起こしていることは大変遺憾であるので、厳しく申し入れします」
語気を強めて知事に決議文を手渡す自民の中沢議長。
決議文を受け取った川勝知事は言葉を発することはなく、議長室をあとにして議場に戻りました。
本会議場での論戦再び
休憩を挟んで県議会は再開。
いよいよ本格論戦の火ぶたが切られました。
まず登壇したのは、県議会最大会派、自民改革会議の江間治人県議。
自民改革会議 江間治人県議
「9月定例会の閉会日の前日には、唐突に東アジア文化都市2023の発展的継承のための拠点を、三島につくりたい。土地を物色している。詰めの段階などの発言が飛び出しました。(県議会開会日に)真摯に受け止めるが、訂正をしない。今後、広く議論をしていただきたいと議案の説明がありましたが、全く意味が分かりませんでした。神聖な議場で平気でウソをつく議会を軽視した知事に、暴言や失言以上に強い憤りを覚えるのは、私だけでしょうか。」
川勝知事:
「知事としての言動の重みを十分に自覚し、常時公人、
すなわちいついかなる時も公人であるということを改めて強く意識した上で、不適切な発言をすることのないよう引き続き自らを強く戒めてまいります」
“言動の重みを十分に自覚”するとした上で発言の訂正については…。
川勝知事:
「過日の県議会総務委員会からの私の発言に関する申し入れにつきましては、真摯に重く受けとめております。
一方で、何をしたいのかどうしたいのかといったビジョン・アイデア・構想・考えを示すことは、選挙民でリーダーとして選ばれ、また県政を預かる者の仕事の一部でございます。今回の私の発言は、東アジア文化都市の
レガシー創出に向けた思いを語ったものであって、現時点で何も決まっておりません。
しかし、先ほどの県議会の決議を大変重く受けとめております。県議会を大切にする考えは、今までと同様、全く変わりはありません。今般、県議会におきましてこのような決議をいただく状況になったことについて、誠に申しわけなく思っております。それゆえ心よりおわびいたします」
自らの発言が問題となり決議されるまでに至ったことは謝罪したものの、これまでも求められていた発言の訂正はしなかった川勝知事。
そのうえで…。
川勝知事:
「今回の三島市内における東アジア文化都市の継承拠点の件は、一旦立ち止まることにし白紙といたします」
白紙発言に自民改革会議は
一方、対立を深めてきた自民改革会議は、6日の知事の答弁をどう思ったのでしょうか。
自民改革会議 増田享大代表:
「議会全体の総意の決議を重く受け止めていただけたと思っている。三島のレガシー施設と詰めの段階というこの2つの対象に対しての訂正を求めていましたけど、それを含めて全てを白紙という言い方に捉えておりますので、そこは評価しております」
増田代表は一定の評価はしたものの、川勝知事にくぎを刺すことも忘れません。
自民改革会議 増田享大代表:
「そもそも論として総務委員会さんの方で全会一致で申し入れをした段階でこういったお話になっていれば、こういうことにもなってなかったわけで、さらに元をただせば、そういった出先の場面で不用意な発言をされなければ、こういうことにはならなかったので、改めてしっかりと気をつけていただきたいと文書に書いてあるが、
知事には守っていただきたいなと思っております。」
ふじのくに県民クラブは
一方、ふじのくに県民クラブは…。
ふじのくに県民クラブ 田口章会長:
「知事がどのような答弁をするか気にしていたが、白紙という話をしていたので、そこまで踏み込んだ答弁が出るとは思っていなかった。ただやっぱり、不用意というか、あまり明確になっていないことを、今回でいうと「詰めの段階」とか、そういう表現をされるのは、少し
これからは注意いただければ…と思います」
これにてノーサイドとなるのか、県議会12月定例会は21日まで続きます。