おせち商戦過熱「予約好調」 今年のトレンドは高級志向

リポート:
「静岡伊勢丹ではお正月に向けておせち料理の予約がスタートしています。巣ごもり需要が拡大する中、今シーズンの予約状況に変化はあるのでしょうか」

画像: 静岡伊勢丹の特設会場

静岡伊勢丹の特設会場

今年も残すところおよそ1カ月。新しい年が迫る中、今が駆け込みのタイミングとなっているのがおせち商戦です。

静岡伊勢丹では先月から特設会場を設置。県内外のホテルや老舗料亭のおせちを350種類ほど取り扱っています。

静岡伊勢丹 瀬谷 光広さん:
「(今年の予約状況はいかがですか?)今年のご予約は好調に推移しています。2段重から3段重といった比較的豪華なおせちが人気です」

画像: 静岡伊勢丹 瀬谷さん

静岡伊勢丹 瀬谷さん

今年のトレンドは“高級志向”だといい、3万円台のおせちが売れ筋だそうです。さらに、コロナ禍2回目の年末年始ということで去年と異なる動きも・・・。

静岡伊勢丹 瀬谷 光広さん:
「(去年は)自粛を余儀なくされていて、ご自宅で過ごすときには1人前から2人前。ご夫婦でお過ごしになる方が非常に多かったのかなと思います。今年においては比較的落ち着いている状況の中で、去年呼べなかったご親族の方を招いて大きく集うということを含めて、3人から5人前のおせちが動いているのだと思う」

単価が高い大人数向けのおせちの注文が増えたことで、売り上げも好調。これまでの売り上げは去年と比べて20%から30%程度伸びているといいます。

画像: 富士市の飲食店

富士市の飲食店

一方、これまでおせち商戦に注力していなかった個人店にも参入の動きが。富士市の「和食ダイニング 吉ト成(きちとなる)」でもおせちの仕込みを始めています。

キチトナルキッチン 吉村 直也代表:
「今は実際にメニューを決めるということをしながら試作してみて、これでいいのかどうかというところをはかっているところです」

この日はサワラやアワビ、数の子といったおせちで使う食材を仕入れ、どのような仕上がりにするか、検討を進めていました。

キチトナルキッチン 吉村 直也代表:
「直前でやっぱりいいものは作れないので、準備がどれだけできたかというところで、より完成度の高いものというか、そういうものが提供できると思っているので、通常の営業と並行しておせちの準備をしっかりやっていきたい」

実はこちらのお店がおせちの販売を本格的に行うのは今年が初めて。きっかけは感染状況が悪化していた去年の年末でした。

例年なら忘年会シーズンとなるこの時期は宴会の対応に追われていますが、去年は富士市に時短要請が出され、通常営業を断念。そうした中、何かできないかと考えたのがオリジナルのおせち作りでした。

画像: キチトナルキッチン 吉村 直也代表

キチトナルキッチン 吉村 直也代表

キチトナルキッチン 吉村 直也代表:
「お店のお客様にSNSを通じて『おせちを作ってみたいんですが、買ってくれる人いますか?』ということで問い合わせましたら、少しの方が買ってみたいと言ってくれて、それで作って提供させていただきました」

10食限定で販売したおせちはすぐに完売。予想を上回る売れ行きに今年は数を増やして本格的に販売することを決めたのです。

今年提供するのは、地元食材を使った“和と洋、どちらも楽しめるおせち”。

去年は吉村さん1人で作ったそうですが、今年はスタッフの力も借りて準備を進めています。

感染状況が悪化した場合には売り上げの柱としても期待していましたが、今のところ県内の感染状況は落ち着いた状況に。宴会の予約が入ることも期待しつつ、おせち作りにも力を入れています。

キチトナルキッチン 吉村 直也代表:
「今のところ結構お問い合わせをいただいたり、実際にご予約をいただいています。去年、私が作った本当に至らないおせちを食べてくれた人が今年も注文をくれたりして、本当にすごくうれしいというか、そういう方たちに今年はもっとさらにしっかりしたもので恩返ししていきたい」