「ホーユー経営破綻問題」背景にコストの高騰が 給食事業の現状は 静岡県内の事業者の場合
学校の給食事業などを展開している広島市の「ホーユー」が突然営業を停止し、静岡県を含む全国各地で食事の提供ができなくなっている問題。
「ホーユー」山浦芳樹社長:
「価格だけ据え置いたまま、物価上昇が続いた。ビジネスモデルが崩壊している」
「ホーユー」の社長が経営難に陥った理由として挙げた「コストの高騰」。
帝国データバンクが行った国内の給食事業者への調査(374社)によると、昨年度は3割の給食事業者が「赤字」運営だったことが明らかに。
その理由もやはり、食材費や原油価格などの「コストの高騰」でした。
コストの高騰は給食事業にどれほどの影響を与えるのか・・・
静岡県内の事業者は
番組では静岡県内の事業者を取材しました。
磐田市に本部をおく弁当・給食サービスの「いわきゅう」。
静岡・愛知・三重・神奈川の4県に渡り、サービスを展開していて「ホーユー」と同じく、施設や企業で給食をつくる業務の他に、調理済みの料理を配送し、再加熱や盛り付けは提供先に任せるセントラルキッチンや弁当の製造、配送を行っています。
いわきゅうグループ 福井覚 常務取締役:
「コロナが始まって少しずつ(物価高騰の影響が)出てきて、ここ1年は顕著に値上がりが出てきている」
「いわきゅう」ではここ1年の物価高騰の影響が特に大きく、食材や調味料の仕入れ値が3年ほど前に比べ2~3割上がっているといい
秋ごろまでをめどに20円ほど、お弁当の値上げを予定しています。
それでも、なるべく価格を抑えようと企業側も努力を続けています。
いわきゅうグループ 田中洋子 管理栄養士:
「確かに材料費は上がっているが、既成品を手作り品に変更したり仕入れに変化を持たせることでなるべく価格の上昇を抑えられるように努力している」
いわきゅうではもともと外部に発注していた調理済みの料理を、自社で食材調達から調理まで行うことで2割ほど価格を抑えているといいます。
こうした努力をしていかないと厳しいのが実態です。
いわきゅうグループ 福井覚 常務取締役:
「材料費の高騰が激しいので内製化の推進・原価管理の徹底・無駄の排除これらを大きな柱としてお客様に負担を掛けずにできるだけやっていきたい」
コストの高騰により厳しさを増す給食業界。
国内の給食事業者の2割は価格転嫁が「まったくできない」という調査結果もあるなど、食をめぐる影響は今後も懸念が続きそうです。