JR東海の反撃姿勢に川勝知事も応戦「職員との情報共有に問題が生じたことはない」
リニア新幹線問題をめぐり、先週JR東海が県庁内の連携に疑問を投げかけた事について、川勝知事は29日「全く問題が生じたことはない」と 一蹴する発言をしました。
JR東海 木村 中専務執行役員 24日
「いささか誤解がある、あるいは誤解を与える状態になっているのではないかと。私どもは大変困惑をしている状況」
先週、静岡市内で異例の記者説明会を開いたJR東海。
これまで川勝知事の独自の見解についてJR東海は静観を貫いてきましたが、ここにきて堪忍袋の緒が切れたのか、“反撃”ともとれる内容の会見をしたのです。
その原因の1つとなったのは、川勝知事のこんな発言です。
川勝知事 4日
「2027 年という数字がここで実質消えたので、
2037 年までに東京から大阪まで全線開通という、これが残された最後の期限」
品川―名古屋間の開業目標を2027年から2027年“以降”に変更したJR東海。
これを受け川勝知事は、2037年の全線開業に間に合うように、リニアに関する問題を解決すればいいと独自の解釈を示していました。
これにJR東海は…。
JR東海 木村 中専務執行役員 24日
「2037年全線の開業を目指すということでは決してない」
本体工事以外にも
リニアをめぐっては本体工事以外に関する問題も浮上しています…。
2018年にJR東海が静岡市と基本合意を結んだ、県道南アルプス公園線と県道三ツ峰落合線を結ぶトンネルの建設。
今年度内とされていた掘削工事の着手は、年度をまたぎ、夏ごろにずれ込むとみられています。
川勝知事 県庁 15日
「もう6年目になります。まず工事ヤードへ行くための三ツ峰落合線の整備、約束した通り、なぜやれないのか」
ただ、この指摘にJR東海側も真っ向から反発しています。
JR東海 木村 中専務執行役員 24日
「知事からこのタイミング(JR東海と川勝知事のトップ会談)で了解が得られなかったので、行えていない。林道や県道を使って工事ヤードの整備は可能なので、今、準備工事をしている。三ツ峰落合線の県道トンネルがあるかないかに関わらず工事ヤードの整備はできる」
JR東海 澤田尚夫常務執行役員 24日
「県の事務方にいろんな情報は伝えている。県道トンネルやヤードの整備の状況や部分開業の考え方も、実験線の話もそうだが、伝えているがなかなか知事の発言には反映されていないので困惑している」
川勝知事は
こうしたJR東海の“反撃”姿勢に川勝知事は…。
川勝知事
「12月14日以降、開業時期・部分開業・工事ヤードに関する私の発言に対して、JR東海から事務局へ何の連絡もなかった。事務方との情報共有だが、仮にJR東海から説明があれば、速やかに報告を受ける形に今までもなっているし、いつもそうです。職員との情報共有に全く問題が生じたことはありません」」
また29日、県の職員がJR東海の澤田常務執行役員に電話をし、確認したことを明かしました。
QJRから指摘がなかったという話があったが、24日の会見でJR東海は県の事務方に伝えていると言っていたが、知事には伝わっていない?
川勝知事
「事務方は聞いていないと先ほど聞きました。だから何もされていなかったということ」
Qこれ以上は言った言わないになるので…。
川勝知事
「それでは、その件に関して電話をとった人、言ってください。言った言わないではありません。」
ここで知事から、JR東海側と電話をしたとする県の職員にバトンタッチ。
県の職員
「私のほうでは認識が違うのだが、と話したところ、年末年始に特に指摘をした覚えはないとの返事だった」
また記者からこんな指摘が…。
Qこう書いてあるが、私はこのように解釈してこのようなアイデアを出すという事実と知事の考えをわけて話す考えはないのか?
川勝知事
「そういうふうに言っているつもりですけどね。私は自分の考えをデータに基づいて申し上げているわけです。根拠を出して申し上げている、それ以外に方法はないでしょ」