トマト加工品がピンチ…ケチャップ、トマトジュースが次々と値上げ トマトの価格は安定してきたのに… 静岡

嶋田光希アナウンサー(26日):「静岡市内のスーパーに来ています。こちらのスーパーでは2月からおよそ100品目が値上がりしたということです。中でもトマトの加工品の値上がりが目立っていて、こちらのケチャップは50円ほど値上がりしたということです」

嶋田光希アナウンサー
嶋田光希アナウンサー

 民間の調査会社「帝国データバンク」によると、家庭用を中心とした2月の飲食料品の値上げは1626品目ありました。中でも、ケチャップやトマトジュース、ソースなど、トマトを加工して作られる商品が次々と値上げとなったのです。その背景にあるのが“異常気象”です。

トマト加工品がピンチ…ケチャップ、トマトジュースが次々と値上げ トマトの価格は安定してきたのに… 静岡

スーパーでは

田子重西中原店 天野克彦副店長:「昨年の猛暑、酷暑、異常気象による気温の上昇によってトマトが不出来だった。流通してこなかった。原料不足というのが一番の理由と聞いている」

 去年の世界的な猛暑によって静岡県内でもトマトが不作になったり、店頭での価格が高騰したりしたいわゆる「トマトショック」。世界中でも同じような状況となり、ここに来てトマトを使用した加工品に影響が出てきたといいます。

 こちらのスーパーでは、500gのケチャップが50円以上値上がりし、トマトジュースや野菜ジュースでは20円ほど値上がりしている商品もありました。

天野克彦副店長
天野克彦副店長

 家庭でも使用頻度の多いケチャップをはじめ、多くのトマト加工品が値上げする中、スーパーの買い物客からはこんな声が…。

掛川市民(60代)
Q.トマトの加工品が値上がりしていることについて

A.「高いと思うけど、仕方ないのかな。仕方ないとしか言いようがない」

静岡市民(50代)
「(ケチャップは)常に冷蔵庫にあるものなので、(値上げしていても)買ってしまう」

静岡市民(30代)
Q.どんなときにケチャップを使う?
A.「オムライスの時は絶対使う。チキンライスもそうだし、作ったときに子どもが(ケチャップで)絵を描きたがる」
Q.何を描く?
A.「アンパンマン」

トマト加工品がピンチ…ケチャップ、トマトジュースが次々と値上げ トマトの価格は安定してきたのに… 静岡

洋食店「1~2割上がった。だいぶ痛い」

 新たな“トマトショック”と言っても過言ではない加工品の値上げ。飲食店でも影響が出ていました。

堀優奈アナウンサー:「静岡市駿河区の洋食店です。こちらのお店でもトマトの加工品の値上がりによる影響を受けているということです」

 静岡市内の洋食店では、オムライスやナポリタンにトマトソースを使用していて、それを作るために、多くのケチャップを使用しているといいます。

レストランAoki 青木大悟シェフ:「ここ最近で徐々に上がってきたが、1~2割上がってきた。だいぶ痛いところ」

青木大悟シェフ
青木大悟シェフ

 このお店の人気メニューでもあるオムライス。中のご飯はピラフで、そこにトマトソースを混ぜていきます。ふわふわの卵に、トマトソースを使用して作ったデミグラスソースがかかっています。

トマト加工品がピンチ…ケチャップ、トマトジュースが次々と値上げ トマトの価格は安定してきたのに… 静岡

堀優奈アナウンサー:「(食べる)ふわふわです。トマトの酸味がきいたデミグラスソースとタマゴの相性がバツグンです」

 店ではオムライスを1皿作るのに、ここ最近でトマトの加工品だけでなく、様々な材料の物価高騰を経験。タマゴに関しても今でこそ価格が落ち着きましたが、去年の「エッグショック」時には価格の変動を大きく受けました。

レストランAoki 青木大悟シェフ:「一つ一つの値段を考えると、すごく振り回されている感じになってしまう。全体的に見て、何となく上がっているな、下がっているなという感じでやっていくしかない」

堀優奈アナウンサ
堀優奈アナウンサ

 レストランAokiでは家族で経営をし、人件費を抑えるなど様々な工夫をしながら、ランチメニューは800円で提供。他のメニューも値段を変えていないといいます。

レストランAoki 青木大悟シェフ:「ランチタイムなんかは特に周りのサラリーマンのお客さんが多くいらしてくれて、その方達の給料ってみんな上がっていないってよく聞くので、やはりそれを考えると、うちが値段を上げないでやっていた方が、きっとみんなも喜んでくれるし、今まで通り来てくれるので、そこで何とか踏みとどまっている」

 価格が目まぐるしく変わる中で、試行錯誤しながら進んでいる飲食業界。願うのは“安定”です。

レストランAoki 青木大悟シェフ:「価格が落ち着いてくれるのと、もっと言えば価格がどんどん下がってくれるとありがたい。あとはお客さんの給料も上がって欲しいですね」

安定してきたトマトの価格

 トマトの“加工品”は値上げとなる中で、実は今、スーパーではこんな“真逆の現象”が。

静岡市民(70代)
「トマトは結構買う。安くなっているから」
Q.安くなってどう?
A.「それは安い方がうれしい」

 現在、生トマトの値段が、落ち着きをみせてきているといいます。

田子重西中原店 天野克彦副店長:「トマトも猛暑によって(去年は)それこそ見たことがないような値段だったが、いまはトマトも1個100円台、ミニトマトもワンパック100円台くらいの安定した値段で販売はできている」

Q.生と加工品で違いが出てくるのはどうして?
A.「海外からの輸入のトマトとかも使っていると思いますので、円安とかそういうのも影響すると思う」

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 スーパーに並ぶ生トマトのほとんどは国内産。夏の猛暑から抜け出した中で、生産が安定してきているといいます。

 日経平均株価が4万円の大台も間近となっていますが、物価高騰は引き続き私たちの暮らしに大きな影響を与えています。