銅の価格高騰からか…神社で屋根の銅板の盗難相次ぐ 「無理に剥がされてる。下の板まで痛んでいる」 静岡市

 静岡市の小坂熊野神社と津島神社で、社殿の屋根の銅板などが盗まれているのが相次いで発覚しました。被害額は150万円以上に上ります。

小坂熊野神社

 JR用宗駅から車で5分ほどのところにある静岡市駿河区の小坂熊野神社。

小坂熊野神社
小坂熊野神社

糟屋訓敏総代:「今もう3分の2くらい剥がされてますね。向こうが半分くらいですかね」

 こう話すのは、神社の総代を務める糟屋訓敏さん(74)です。

屋根がはがされ
屋根がはがされ

 こちらは被害に遭う前の社殿の屋根の写真です。社殿が銅製の緑の屋根に覆われています。

被害前は
被害前は

 しかし、本殿と拝殿をつなぐ通路の屋根のほとんどが剥がされています。

糟屋訓敏総代:「下の板も無理やり剥がしたんでしょうね。下の板まで痛んでいる」

ほとんどの屋根が被害
ほとんどの屋根が被害

 被害が発覚したのは1日のこと。

 23日に行われる秋の例大祭を前に、社殿の修繕に訪れた大工や氏子が社殿の屋根を見て、剥がされているのに気づきました。

 被害が発覚した翌日に、糟屋さんは静岡南警察署に被害届を提出しました。

糟屋訓敏総代:「びっくりっていうか、言葉にならないよね、神社のこういったものをね」

Q.簡単にはがれるものなんですか?

A.「かなり無理してますよね。バールかなんかで、こういう板に傷が付くくらいですからね」

糟屋訓敏総代
糟屋訓敏総代

 また、盗まれたのは本殿だけではありません。

糟屋訓敏総代:「柱を囲っていたこれを剥がそうとして、ここで諦めているんですよね」

 境内の入り口付近にある天満宮の壁全体と屋根の一部もなくなっていました。

 糟屋さんによると、修繕にかかる費用は150万円以上にも上ると見られていて、修繕費用は氏子で負担する予定だといいます。

ここも狙われた
ここも狙われた

別の神社でも

 屋根が盗まれたのは、この神社だけではありませんでした。

林輝彦アナウンサー:「小坂熊野神社から車で10分ほどのところにある静岡市駿河区丸子の津島神社です。こちらの神社でも同様の被害がありました。本殿の屋根と邸内社の屋根が盗まれました。今はブルーシートに覆われています」

近くの神社でも…
近くの神社でも…

 小坂熊野神社からおよそ6キロ離れた津島神社でも同様の被害があったのです。津島神社の宮司によると、7日ごろ、参拝者が本殿などの屋根が剥がされているのに気づき総代に連絡しました。

 1週間に2つの神社で銅製の屋根が盗まれる被害。小坂熊野神社は今後、入り口の木を伐採して近くを通る人が中の様子を見られるようにしたり、屋根を別の素材に変えたりすることも検討しているといいます。

糟屋訓敏総代:「今までずっと引き継いできたものですからね。また元の形にして、次に渡していかないといかなきゃなんないなと思っています」

 静岡南警察署は窃盗事件として捜査しています。

津島神社の被害
津島神社の被害