川勝知事臨時会見で辞職を決断した理由を語る その理由はリニア新幹線工事 不適切発言は撤回せず
突然の辞職表明から一夜、川勝知事が臨時会見でその真意を話しました。2日6月議会での辞職を表明した川勝知事。決め手となったのもリニア問題のようですが、一体どういうことなのでしょうか。
川勝知事:
「第一次産業、農業、酪農、あるいは水産業、これは最も大事にしてきた産業でありまして、そういう方たちの心を傷つけたとすれば、誠に申し訳なく心からお詫び致します。申し訳ありませんでした」
静岡県内、そして全国に広がった衝撃。知事が語った辞職の理由とは…。
川勝知事
「辞任の背景にあるものでございますけれども、大きな区切りを迎えているなという感懐がございます。そうした中でやっぱり一番大きかったのはリニアです」
川勝知事 1日:
「毎日毎日野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいは物を作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳、知性の高い人たちです」
新入職員に向けた訓示で飛び出した、“職業差別”ともとれる発言。
県庁に寄せられた批判は3日午前までにおよそ1400件にのぼっています。
川勝知事 県庁 2日:
「職業差別は皆無です。ありません。職業に貴賎はないというのが基本的な考え方ですね。何か問題発言があったかのごとき状況になって本当に驚いています」
Q.ではこの発言は不適切な発言ではないと?
「不適切ではないと思いますが、一部そこだけ取れば皆さんがおっしゃっているような職業差別に落とし込むと、いうふうなことができる発言であったかもしれませんね」
川勝知事:
「どうしたらいいかなと思っていまして、よく考えたんですけれども、準備もありますからね。6月の議会をもって、この職を辞そうと思っております。…以上です」
市民は
任期を来年7月まで残す中、突然の辞職表明。
6月議会の会期は7月8日までで、1年前倒しで知事選が行われることになります。
まさかの事態に、静岡の街にも驚きが広がりました。
静岡市民 40代
「やっとか。引っ張っていく人の発言や行動力ではなかったから、やっとか」
御殿場市民 50代
「びっくりした。不適切発言もネットニュースで見たので、またこんなこと言っちゃってという感じではあった」
御殿場市民 60代
「あの人全然反省してないのかなと。ちょっと遅かったかな。もう少し早くやればリニアももう少し片付いたかなと」
難波市長は
けさ取材に応じた静岡市の難波市長は…。
静岡市 難波喬司市長 ※静岡市役所 午前8時半
「発言自体は極めて不適切。ありえないレベルだ。そして、きのうまたそれが問題ではない認識をされているような発言がありましたので、それもまた極めて不適切だと思います」
川勝知事 初当選時 バンザイなど
2009年に初当選した川勝知事。
15年の在任期間において、3期目以降は特にリニア問題に力を注いできました。
川勝演説 静岡・葵区
「62万人の人の命の水がかかっているのを黙って静岡県民は放っておけますか?(「そうだー!」)絶対にできない。ひとさまのことをそんなことしてはなりません!」
臨時会見
県庁 正午すぎ
3日の県庁は慌ただしい1日となりました。
知事の議長室入り
正午すぎ、川勝知事が向かったのは県議会の議長室。
辞職表明から一夜、自ら各所への説明に追われました。
面会した中沢議長によりますと、川勝知事は6月議会の開会日、6月19日に辞職したいと話したということです。
県庁 午後3時半 川勝知事会見場入り
任期を1年残した中での突然の辞職表明。
その決断に至った理由は…。
川勝知事が午後、臨時会見を開きました。
川勝知事:
「私の新規県庁職員として採用した職員への激励、また励ましの言葉の中に、人の心を傷つけるものがあったということを、厳しく受け止めております。第一次産業、農業、酪農、あるいは水産業。これは最も大事にしてきた産業でありまして、そういう方たちの心を傷つけたとすれば、誠に申し訳なく心からお詫び致します。申し訳ありませんでした。 この言葉の問題で、以後こういうことがないようにと努めてまいりましたけれども、再びそうしたことが思いもかけぬ形で浮上しまして、自らの不徳の致すところと思う次第であります」
謝罪から始まった会見。
川勝知事が辞職の大きな理由としたのは、
先日2027年の開業断念が発表されたリニア新幹線をめぐる問題がひとつの区切りを迎えたことだといいます。
具体的には、今年2月に静岡工区のモニタリング会議が設置されたことを挙げました。
川勝知事:
「前の社長さんの時には2027年の開業が可能であると、それを目指してやっているんだということを繰り返し言われていたと。それが変わったというのはやっぱり大きいと思います。正式に公の場で言われたのは非常に大きいと思います」
Q.どうして任期を1年残して、辞めることになるでしょうか?
「一番大きな公約はリニアの問題を任期中に決定することだったわけです。しかしながら一方で、県議会も私の言動が一因になりまして、政局がらみで動くっていうのが常態化して、これはなんとか解決したいというふうに思っていました。これは私が原因のひとつを作っているわけですから、どういうふうにしたら解決できるかということは常に考えておりました。ですから、問題が減ったということになるんじゃないかと」
一方で、辞職の理由は不適切発言だけが理由ではないと強調し、発言の撤回については否定しました。
川勝知事
「説明すればわかるぐらいのつもりでございましたので、言葉の綾、あるいは不十分な表現が針小棒大な形で批判に結びついているという面もあるので、ここは直に話せばわかるというぐらいなんですけれども、これは実際上難しいので、傷ついた人に対しまして申し訳ないという気持ちでございます」
Q.それは責任を取る形で辞職するのも理由の一つという認識でよろしいですか?
「傷つけたことにつきましては、私の心も傷付いておりますので、申し訳ないと思っております」
そして、今後の政治活動については―
川勝知事
Q.出直し選挙で自身が出ることは?
「まったくありません」
Q.その理由は?
「もう私は十分仕事をしたということで、1機4年というのがいつも。次どうするかを考えたことはなくて1機4年だけ任せるということで、1期目も2期目も3期目も今もそういうつもりでやってきた。出直し選挙なんてとんでもない。まったく考えていない。
Q次の選挙で応援演説などの関与は?
「皆さんにお約束した、しませんと。その通りのことをする」