川勝平太前知事が県議会に異例のあいさつ 最後に議員に対し15年間の感謝の言葉
9日に辞職した静岡県の川勝平太前知事が17日、県議会議員に15年の感謝を伝えました。あいさつは非公開で行われました。
臨時県議会 開会:
「ただいまから静岡県議会5月臨時会を開会します」
演壇の左側に設けられている知事の席は空席に、この15年、この席に座っていたあの人の姿はもうありません。
おそらく17日が静岡県庁を訪れる最後の日です。
石田和外アナウンサー:
「川勝さん、お久しぶりです」
石田和外アナウンサー:
「きょうはどんなお話を?」
川勝前知事:
「・・・・・・」
記者:
「知事、久々の県庁ですが?」
川勝前知事:
「・・・・・」
9日をもって知事を辞職した川勝前知事。
その日以来の県庁です。
県議会議員に向けて退任の挨拶をする機会がなかったことから、川勝前知事の希望を踏まえ、退任後にその機会が設けられることになりました。
石田和外アナウンサー:
「今、川勝前知事の退任のあいさつが始まっている。議場ではなく会議室で、しかも非公開という異例の形です」
極めて異例のあいさつとなったのは、知事選への影響を県議会側が考慮したからです。
各会派の県議が出席、川勝前知事のあいさつは10分もかからずに終了しました。
リニア工事に一言
石田和外アナウンサー:
「知事、ひとこといただけますか。県民にひとことお話いただけますか。どんなお話をされたんですか?」
(川勝前知事紙を手渡す)
石田和外アナウンサー:
「これはなんですか?内容ですか?」
川勝前知事:
「ごあいさつの内容はここに書いた通りです。それ以外のことは何も言っておりません」
石田和外アナウンサー:
「そうですか」
側近:
「帰りますので、帰りますので」
石田和外アナウンサー:
「川勝さん、リニア問題について岐阜の方で水枯れの問題ありましたけども、その件に関してどうお感じか一言いただけませんか?」
川勝前知事:
「……」
石田和外アナウンサー:
「岐阜の水枯れの問題で一言いただけませんか?」
川勝前知事:
「……」
側近:
「すいません。道開けてください、通ります」
川勝前知事:
「生態系の有識者会議では、どの沢、どの渓流もみな水位が下がると言っています。その一事例が岐阜じゃないでしょうか。はい、ごめんなさい」
そのまま、自転車で走り去っていきました。
各会派代表は
石田和外アナウンサー:
「川勝前知事にコメントを求めたのですが、かたくなにしゃべらず、これを託してきました(あいさつ原稿)。退任挨拶、ここに書いてあることを県議会議員に伝えたのかと問いかけたら大きく頷いていました」
県議会での対立や混乱が繰り返された川勝県政の15年間。
自民党の県議からは―
自民党県連 増田享大幹事長:
「これからの静岡の未来についてご教示いただいて紳士的なお話でした」
石田和外アナウンサー:
「今大きな拍手が聞こえました、大きな拍手が聞こえました・・」
あいさつの最後には自然と拍手が起きたそうです。
ふじのくに県民クラブ 田口章会長:
「もともと川勝知事は言葉に力がある人なので、そういう知事の思いは最後に伝わったんじゃないですかね」
久須美舞記者:
「知事お疲れ様でした!」
川勝前知事:
「ありがとう!!お手紙ありがとうございました!」