台風10号で浸水被害の静岡・焼津市 閉じた水門が開かない事態に 影響は?

 台風10号に伴う大雨で浸水被害が出た静岡県焼津市。現場では当時、水の逆流を防ぐために閉じた水門が開かなくなるという事態が起きていました。現地の実態を取材しました。

●駒形文隆カメラマン:
「冠水がひどく車が立ち往生しています」

 台風10号の影響で、降り始めからの雨量が886ミリを記録した焼津市。焼津市八楠では国道150号が冠水し、所々で車が立ち往生。地下道の入口も水によって閉ざされました。

 こうした中、現場では当時、住民の生活を守る設備に、トラブルが起きていました。

◆板垣亮記者:
「こちらが八楠を流れる梅田川です。この川の水が流れる先の瀬戸川の水位が上昇したため、あちらに見える水門を閉じる対応がとられましたが、その水門が開かないという事態が起きました」

 当時、水門を管理する静岡県は、瀬戸川の水位が梅田川の水位より上がったため、水の逆流を防ごうと水門を閉じました。

 しかしその後、梅田川の水位が上がったため、水門を遠隔で操作して開こうとしましたが、何らかの原因で安全装置が作動し、開かなかったといいます。

 その後、職員が現地に駆けつけましたが、水門が開けられたのは自体が発覚してからおよそ1時間45分後のことでした。

◆住民(80代):
「水が来るのが早くて、5分後くらいの間にドカンと来ちゃって車を出す間がなかった。道路もこのくらい(膝)まで。仕事場もここまで入っちゃったもんで」

 県は、梅田川の氾濫は確認されておらず、水門と浸水被害との関連は不明だとしています。

 また、8月、台風の前には水門の点検が2度行われていましたが、そこで異常は確認されていませんでした。

 これからの本格的な台風シーズンを前に住民は不安を隠せません。

◆住民(80代):
「水門を開けたらパーッと(水が)引いたので、ここの流れもあっという間に引いていったから、そうかなと思っていた。近年水位が上がることが何回かあるので今後が困るなと。」

 県は来週にも、専門業者による調査を行い、原因究明を急ぐとしています