【特集】全国的に深刻化する空き家問題 静岡県内ではその割合が過去最多に 解決に必要なものとは?
全国的に深刻化する空き家問題。静岡県内ではその割合が過去最多となったことがわかりました。なかなか減らない背景には何が…
●根方ゆき乃記者:
「こちらは静岡市にある60代の男性が住んでいた空き家。家具や漫画などが当時の思い出が残ったままの状態になっている」
家主が亡くなってから時が止まった状態の空き家。2年以上手つかずでしたがこの日、動きが…
●空き家買取専科 黒田淳将取締役:
Qどんな作業をしている?
「きょうは家の片付けから入っていて、倉庫の解体含めて家にあるいろいろな物を壊しながら片付けて撤去していく作業をしている」
家主の兄弟から相談があり、売却が決まったという空き家。
●空き家買取専科 黒田淳将取締役:
「自分で何かやっていく、手を入れていくことが大変だと思いなかなか思い腰が上がらない状況だった」
5年ごとに行われている国政調査によりますと、2023年、静岡県内の空き家の数はおよそ3万戸、空き家率は16.7%と過去最多になりました。その要因と見られているのが少子高齢化です。空き家売買の専門業者にも相続が難しいなどの相談が増えているといいます。
防犯上のリスクからも待ったなしの対策が求められる中、新たな制度を始めた自治体も。
●藤枝市住まい戦略課 杉田一樹係長:
「空き家の所有者にさらに寄り添った支援、質の高い支援を実施するために指定に踏み切った」
藤枝市は11月、2つの民間企業を「空家等管理活用支援法人」に指定。民間企業が指定されるのは県内で初めてです。これによって民間企業側が所有者との相談対応や、活用を考えている人とのマッチングを行うなど、公的な立場で介入できるようになりました。
5年前から官民連携で空き家対策に取り組んできた藤枝市。県全体では過去最多となった空き家率ですが、藤枝市では5年前に比べて低下していて、県内で唯一、10%を下回る結果となりました。
●藤枝市住まい戦略課 杉田一樹係長:
「空き家をもっていることがネガティブなことのように捉えられる風潮があるので、空き家の所有者がワクワクするような空き家活用の選択肢を提示していただきたい」
こちらは築43年の空き家をリノベーションした住宅。空き家の再生を通して見据えるのは、人口の流入と地域の活性化です。
●空き家買取専科 玉木潤一郎社長:
「ここに住む方がいることで別の家が空いてしまう。これだと空き家は1件も減っていない。都内の方が田舎にもうひと拠点を持つとか、仕事している人が本業以外に副業を持つとかそういったことが可能になれば」
空き家を活用して新たなまちづくりを。空き家のイメージをポジティブに変えることが解決のカギとなるかもしれません。