過去最悪 シラスが記録的な不漁に 静岡県内の漁業関係者から悲鳴が
14日今シーズンの漁が終了した静岡県内のシラス漁。ところが、漁業関係者からは次々に悲鳴が。静岡の特産品に今何が起きているのでしょうか。
14日今シーズンの漁が終了した静岡県内のシラス漁。
ところが、漁業関係者からは次々に悲鳴が。
静岡の特産品に今何が起きているのでしょうか。
木村ディレクター
「午前10時前の御前崎港です。こちらではまもなくシラスの競りが行われようとしています。例年であれば多い時には40カゴほどのシラスが水揚げされるそうですが、きょうはその半分の20カゴほどしか水揚げがありません」
ここ数年、深刻な不漁が続いている静岡県内のシラス漁。
漁獲量は2015年の8549トンをピークに右肩下がりで、昨シーズンは2574トンと、過去2番目の少なさにまで落ち込みました。
そして、迎えた今シーズン。
その漁獲量は去年よりもさらに減少し、12月末時点で2050トン。
20年ぶりに過去最低を下回る見通しとなっているのです。
シラス漁師:
「今までやった中で(今年は)一番量がとれなかった」
南駿河湾漁業協同組合 松井功課長:
「年々減ってくる。最盛期の春・夏も少ない。シラスが少ないと死活問題」
駿河湾のシラス漁が不漁となっている要因のひとつが「黒潮大蛇行」です。
現在、発生から7年6カ月目となり、過去最長を更新し続けています。
静岡県水産・海洋技術研究所 資源海洋課 岡田裕司 上席研究員:
「大蛇行でも駿河湾内に潮が流れ込んでくる状況であれば豊漁になるが、駿河湾内に潮が流れ込んでこない状況になっていたということで不漁になったと考えている」
今後の見通しについては…。
静岡県水産・海洋技術研究所 資源海洋課 岡田裕司 上席研究員
「まだ先を読むのはなかなか難しいが、唯一良い材料は三陸沖で親のカタクチイワシがかなりとれている話があるので、群れがこちらに回遊してきて産卵すればシラス漁が好転する可能性はあるかと」
苦境が続く駿河湾のシラス漁。
3月解禁の春漁で、明るい話題は届くのでしょうか。