「JCHO清水さくら病院」が完成し内部を公開 1階は吹き抜けで津波の浸水を避ける構造 JR清水駅東口
静岡市清水区の桜ヶ丘病院を移転・建て替えする新しい病院の内部が、23日報道公開されました。
23日竣工式が行われたのは「JCHO清水さくら病院」。JR清水駅の東口に「清水桜ヶ丘病院」を建て替えるかたちで完成しました。
清水区に3つある市指定の救護病院の1つとして、長年地域の医療を支えてきた「桜ヶ丘病院」ですが、建設から61年となる建物にはひび割れやサビなどが目立ち老朽化対策が急務とされていました。
◆静岡市・難波喬司市長:
「私も桜ヶ丘病院を見せていただきましたが、よくこれでやっているなというのが実感でしたね」
式典の参加者の中には、静岡市の田辺前市長の姿も…
◆静岡市 田辺信宏市長(当時 2017年):
「聞いてください!聞いてください!」
◆静岡市 田辺信宏市長(当時 2017年):
住民「JCHOさんの考え方を前面に出して、我々を押さえつけようとしているだけじゃないですか」
田辺「そうじゃない…」
当時、清水庁舎の移転と共に検討が進められていた桜ヶ丘病院の建て替え。静岡市が主催した「タウンミーティング」で当時の田辺市長が説明のため、自ら各地を回りました。
桜ヶ丘病院は2017年3月に、現在の清水庁舎がある場所への移転が正式発表されましたが、一部の住民からは津波に対する不安が消えませんでした。
ところが2020年、病院の移転計画と共に進められていた清水庁舎の移転計画が新型コロナの影響で凍結。最終的には清水庁舎の移転先だったJR清水駅東口公園に、桜ヶ丘病院を移転させることで合意しました。
◆林輝彦アナウンサー:
「こちらは津波の浸水想定区域にあります。そのため一階部分は駐車場のみにして診療部門や病棟は2階以上という構造になっています」
7階建てとなる新たな病院。1階はピロティ構造という吹き抜けになっていて、駐車場だけが造られました。受付のある2階までの高さは6メートルを確保していて、津波の浸水を避ける構造になっています。
◆林輝彦アナウンサー:
「3階に上がってきました。こちらのフロアは人間ドックや健康診断を担います。またこちらのスペースと奥にあるリハビリテーション室は災害時に救護スペースとして活用されます」
また、4階には手術室、5階から7階まではあわせて159の病床が置かれます。
◆桜ヶ丘病院を運営するJCHO 山本修一理事長:
「今の桜ヶ丘病院というのは本当に老朽化が激しくてですね、よくこの病院に患者さんが来てくださるなと。本当に使いやすい病院ができたことでですね、その住民の皆さんへの医療提供もしっかりできる」
3月1日に下開院する清水さくら病院。難波市長は今後も行政として津波対策を講じてく必要性を強調しました。
◆静岡市 難波喬司市長:
「津波の対策については、これは県と市が一生懸命やらないといけない問題だと思います。地盤のかさ上げだとかですね、そういうことも我々市がやっていくべき問題だと思いますので、行政もこれは病院任せというんじゃなくて、むしろこの津波対策は行政がしっかりやっていかないといけないと思っています」