災害で断水したときに住民を救う静岡発の新しい貯水槽とは 静岡市清水区
災害などで断水した時に使える新しい貯水槽が開発されました。ポイントは水の循環。どんなものなのでしょうか。
西尾梓アナウンサー:
「静岡市清水区の工場です。こちらの会社が日本初の水道管直結の非常用貯水槽を開発したということです。」
カナサシテクノサービスは従業員30人規模の会社です。
10年かけて完成したのが「水道管と直接つながる非常用の貯水槽」。
タンクの容量は10トン。
国によると、災害時は1人あたり1日3リットルの水が必要とされていて、このタンク1つで1000人あまりの3日分の飲料水を確保できる計算です。
給水管の役割を果たしながら、飲料水の貯水機能をもつタンクが備わっているというものですが、水の流れなどに支障はないのでしょうか。
「水の循環」が水の新鮮さを保つ
ポイントは「水の循環」です。
カナサシテクノサービス 水槽事業本部 望月敏秀本部長:
「配管の出口のところから新しく入ってきた綺麗な水に見立てた食紅を混ぜたものが、かく拌しながら水槽の壁面に沿って、今循環している」
西尾梓アナウンサー:
「反時計回りに循環していますね」
望月敏秀本部長:
「きれいな水に見立てた赤いお水が、外に出ていきますと、中の水がちょうど入った分だけ出ていっているということで、きれいに循環している様子がご確認いただけるのではないか」
タンクのおよそ3.5倍の水が入ると、ほとんどの水が入れ替わります。
そうすることで新鮮な水を保ち、非常時も飲料水として利用できる仕組みです。
地下に埋設
また、開発された貯水槽は、地上に設置する受水槽とは異なり、地下に埋設するため、これまでの地震被害で見られたような受水槽の破損リスクも低い上、水が空気に触れることなくより安全性の高い水を供給可能だと言います。
武田社長は
カナサシテクノサービス 武田孝之社長
「給水車を待たずして住民の方々が自らこの水槽から新鮮な水を供給できる。給水車がこれない地域もある。でもこの水槽が手元、足元にあればそこの住民の方々は待たずしてお水を供給できると、そういったメリットがある」
静岡発の新しい貯水槽のかたち。
武田社長は、マンションや病院、保育園などに設置して災害時に役立てられればと話していました。