コメ不足のいまだからこそ重宝? 収穫量が2倍に? 『再生二期作』とは 浜松市

堀優奈アナウンサー(浜松・中央区):「浜松市に来ています。あたり一面に水を張った田んぼが広がっています。こちらでは、ある画期的な栽培方法が取り入れられているということなんです」

コメ不足のいまだからこそ重宝? 収穫量が2倍に? 『再生二期作』とは 浜松市

 東京ドーム5個分(25ヘクタール)という広大な田んぼでコメ作りを行う宮本純さん。

じゅんちゃんファーム 宮本純代表
Q.これからどういった作業をするんですか?
A.「これから暑さに強くて、収穫量が上がるということで、今全国的にすごく人気になっている『にじのきらめき』というお米の品種の苗を、これから田植えしていこうと思っています」

コメ不足のいまだからこそ重宝? 収穫量が2倍に? 『再生二期作』とは 浜松市

 品薄となり、スーパーでは高値が続くコメですが、こうした事態に対応しようと、去年より10日ほど早く田植えが行われていました。用意されたのは夏の猛暑にも耐えられる「にじのきらめき」という品種。実は、宮本さんの田んぼではこの収穫量を倍にできる“画期的な栽培方法”を取り入れています。

じゅんちゃんファーム 宮本純代表:「再生二期作という、同じ株から2回お米が収穫できて、収穫量を飛躍的に増やすことができる技術に取り組んでいます」

コメ不足のいまだからこそ重宝? 収穫量が2倍に? 『再生二期作』とは 浜松市

 「再生二期作」とは、1つの稲から1年間に2回コメを収穫するという栽培方法。1回目の収穫で稲を通常よりも長く残して刈り取ることで、切り株から再び芽が伸び、2回目の収穫が可能になるというものです。また、苗を植え直す手間もないので、コストを抑えながら収穫量を上げることができます。

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 こちらの農家では、去年初めて再生二期作に挑戦。去年取れた2回目のお米。見た目は普通のお米と変わりませんが、その味は…。

堀優奈アナウンサー:「程よい甘みを感じます。1粒1粒がしっかりしていて、もちっとした弾力も感じますね。再生二期作の2回目で獲れたお米ということなんですけど、風味や香り、全くそん色はありません。すごくおいしいです」

 味も全く問題ないという再生二期作のコメ。去年は、2回の収穫で例年の1.5倍以上の量が確保できたといいます。

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 ところが…。

じゅんちゃんファーム 宮本純代表:「期待してたような収穫量を上げることができなかった」

 見込んでいた収穫量は96トンでしたが、設備不足もあり、想定の半分あまりとなる54トンにとどまってしまったのです。ただ今年は、収穫量の増加を見込んでいることから、販路拡大も目指しています。

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販路拡大目指し

 この日、訪れたのは、浜松市内のホテル。ホテルの一室で待っていたのは、ホテルの料理を取り仕切る料理長です。

ホテルグリーンプラザ浜名湖 中谷賢二料理長:「やっぱりお米の高騰というのが一番響いていますね。現状前年の2倍ぐらいに値上がっているじゃないですか」

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 ホテルでもネックとなっていたのが、コメの価格高騰。仲介業者を挟むことで生まれる費用を抑えるため、農家と直接契約し、少しでも安く仕入れられないかと商談が行われていました。

ホテルグリーンプラザ浜名湖 中谷賢二料理長:「直で契約すれば紛れもなく安価で買えるところですよね。今取引している価格よりは安価では入ると思います」

 農家と直接契約を結ぶことで、これまでよりおよそ2割ほど安く仕入れることができるといいます。この日は、ホテルのビュッフェで出されているうなぎや浜松餃子などの浜松グルメと、再生二期作のコメとの相性を確かめる試食会も行われました。

 まずは香りをチェック。

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「お米のにおいです」

 香りは問題ない様子。果たして、浜松グルメとの相性は…。

従業員女性「うなぎと合います」
従業員男性「間違いない?」
従業員女性「間違いない。これだったらお客さんもごはんの上にうなぎ乗せてうな丼に(できる)」
従業員「うなぎとめっちゃ合っておいしかったです」
従業員「いいですね。おかずの味にご飯が負けてないって感じで。お米の力強い味がする。おいしいと思います」

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 料理長の評価は…。

ホテルグリーンプラザ浜名湖 中谷賢二料理長:「全然申し分ないですね。いつものご飯と全然変わらずおいしいです」

 実際に契約を結ぶかはまだ検討中だということですが、前向きに検討するようです。

じゅんちゃんファーム 宮本純代表:「自分の利益率も向上させて、事業者様にとっても複数の業者を介すよりは生産者から直で納めさせていただければ、若干でもコストの削減につながるんじゃないかなということで、双方にとってWIN-WINな関係が構築できる可能性が地元の取引の場合はあると思う。こういう技術があるっていうのを、全国の皆さんに知っていただいて普及していって、お米不足の解消に少しでも繋がったら、生産者としてもこんなに嬉しいことはないと思ってます」

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