【リニア】静岡・川勝知事と山梨・長崎知事が携帯番号交換し『仲直り』? 「常にコミュニケーションとりあう」
「関東地方知事会議」で顔を合わせ…
静岡県 川勝平太知事:「お詫びを申し上げて、カウンターパートをそれぞれ作ろうということにした」
山梨県 長崎幸太郎知事:「どういうことに懸念があって、今どうなっているか、しっかり共有しようと」
都内で24日に開かれた「関東地方知事会議」。静岡からは川勝平太知事、そして小池百合子都知事をはじめ、神奈川や山梨など1都9県の知事らが少子化問題や、地方分権など地域課題について話し合いました。
今回の会議、注目を集めたのが、川勝知事と山梨県の長崎幸太郎知事です。
長崎知事「頭越しに言うのは遠慮して」
この2人といえば…。
山梨県 長崎幸太郎知事(12日):「静岡県の議論には大変違和感を感じている。正直言って我々としては、山梨県内の活動についていかなる県であっても、我々のことを頭越しになにがしかおっしゃっていただくのは、願わくば遠慮願いたい」
今から2週間ほど前、会見で怒りを露わにした山梨県の長崎幸太郎知事。怒りの矛先は川勝知事です。
JR東海は、山梨県内で静岡県に向かって地質などを調べるボーリングを行っていて、5月20日時点で、県境まで残り459mの地点まで進んでいます。このボーリングをめぐっては静岡県がJR東海に対し、県境まで300mに到達した時点でボーリングを止めるよう文書で求めていました。これに不快感を示したのが、長崎知事です。
山梨県 長崎幸太郎知事(12日):「山梨県内の問題については、山梨県が責任を持って行う。静岡県内の問題については、静岡県が責任を持っている。これは言わずと知れた当たり前の話。リニアに関する問題については、静岡県はぜひ山梨県と再度しっかりと事前に調整してほしい」
川勝知事「礼節欠いた」と謝意も「要請は撤回しない」
「山梨県内のことに口出しするな」と言わんばかりの長崎知事。これに川勝知事は…。
静岡県 川勝平太知事(15日):「もちろん礼節を欠いている自覚はある。前もって調整をする時間を十分とれるように、山梨県にこちらの動きをお知らせするようにしたい」
「礼節を欠いていた」と反省の言葉を口にした川勝知事ですが、一方で、要請は撤回するつもりはないと明言。さらに火に油を注ぐようなこんな提案も…。
静岡県 川勝平太知事(15日):「(JR東海への要請)文章の中身は、(県の)専門家会議で議論していることを踏まえて言っているので、オブザーバーとしてでも専門部会でやってる中身を、(山梨県の)担当の方がいるどうか知らないが、来てくれれば大変ありがたく存じます」
水問題などについて話し合う静岡県の専門部会に山梨県も参加して欲しいと提案した川勝知事。ただ、山梨県側の反応はというと…。
山梨県 長崎幸太郎知事(16日):「専門部会に参加するというのは筋が違っていて、それをなにがしか権限の発動を求める静岡県が、しっかりとしたそのファクトとともに私どもにお示ししていただくのが出発点。そもそもですね、山梨県内における民間活動に対して、行使される行政権、その主体は誰かと、ここが一番大きな本質的な問題であると思っている」
関東知事会で顔合わせ
冒頭を除き非公開で行われた今回の会議。直接顔を合わせる24日の会議は冒頭のみ公開されました。先に会場入りした川勝知事が長野県知事と談笑していると、その隣の席に、山梨県の長崎知事が。
何やら川勝知事に言いたそうにも見えます…。
川勝知事が携帯電話を取り出し
その後、川勝知事と長崎知事は「ひそひそ話」。先日の”すれ違い”に関して話していたのでしょうか。「ひそひそ話」のあと、席に着いた2人。そこで突然、川勝知事が行動に出ます。
首から下げた携帯電話を出し、長崎知事に番号を伝えているようです。その後、川勝知事は事務方に携帯電話を渡すと、職員は長崎知事の番号を登録しているのか、操作していている様子も見られました。
これで静岡と山梨の”連携”は密になるのでしょうか?
会議後、取材に応じた両知事。きょうは一体どんな話をしたのでしょうか。
長崎知事「わだかまりがあるとか、ケンカしているとか、誤解を生まないように」
山梨県 長崎幸太郎知事
Q.わだかまりは解消された?
A.「リニアを進めていくためには、それぞれの地域の懸念を全員が共有して知恵を出し合う、一致団結して取り組むことが必要であって、これまでのスタンスと全く変わりないわけで、わだかまりとか、そういう話では一切ない」
Q.携帯電話の番号を交換する様子がうかがえたが?
A.「そっちの方がスムーズで良かろうということで、携帯の電話番号を(交換した)。何かあったら、つまらない誤解を生じさせないように、世の中に対して、わだかまりがあるとか、ケンカしているとか、そういう誤解を生まないように、お互い気を付けるべく、意思疎通をしていこうということで、携帯電話の番号を交換しました」
Q.今回事前の連絡なしで、同じような事態の繰り返しの状況については?
A.「そこはちゃんと事前に話があるだろうと思う。 私どもとしては、山梨県の行政管轄について、なにがしかそういう静岡県にはそれを侵す意図はないと知事からいただいたので、それは良しとしていきたいし、今後さらに緊密にしていく」
川勝知事「常にコミュニケーションをしあうことを確認した」
静岡県 川勝平太知事
「静岡県が山梨県の行政権に干渉しているかのごとき印象を持たれたこと、大変遺憾に思っていて、これは前もって何事によらず、情報を提供すると約束していた。今回それを怠ったのでお詫びを申し上げて、カウンターパートをそれぞれ作ろうということにして、携帯に幸太郎さんの電話番号を入れて、何かあった時に携帯でも、県庁にいない場合でも連絡できるようにするということで、そういう要望が出て、これからそうしようということになった。常にコミュニケーションをしあうことを確認したことで、今後もうコミュニケーション不足みたいなことは起こらないと期待している」