路線バスに1時間の遅れも 観光客の増加で全国的に問題となるオーバーツーリズム 静岡・熱海市でも市民生活に影響が…

観光客の増加で住民生活に悪影響がでる、オーバーツーリズムが全国的に問題になっています。静岡県内屈指の観光地熱海の現状を取材しました。
国内有数の温泉地・熱海市。2024年度の年間宿泊客数は5年ぶりに300万人を超え、コロナ禍前の水準まで回復しました。しかし、その裏では…
●熱海市民:
「新幹線に乗ろうとしても渋滞でどうにもならない。タクシーはいない。どうすればいいんだという思いはありますね」
休日になると市内で問題になるのが交通渋滞です。JR熱海駅前のロータリーは停まっている車や宿泊施設の送迎車で大混雑。道路には駐車場に入ろうとする車や空車待ちの車で長い列ができています。この状態に観光客は…
●横浜からの観光客:
「色んなところ回ったんですけど、どこも混んでて(駐車場を)探す時も車が渋滞してて、ここでも既に30分待っている状態ですね」
渋滞の影響は、市民の足となる路線バスにも。
●バス会社従業員:
「この時期ですと毎日30~40分遅れ、最大1時間くらい遅れてますね
Qそれはどういう要因?
「道に結構止めている人が多いのと、駐車場の出入りが多いのがある」
こうした状況に熱海市民は。
●熱海市民:
「週末とかGWのようにお客さんがたくさんお見えになるときは駅に近寄れないんですよ。不便さを正直感じてますので、お客さん見えるのは有難いけど、市民の生活がそれによって支障をきたしているってところは相反するところで悩ましい」
市民生活にも影響が出ている熱海のオーバーツーリズム。熱海市が2024年行ったアンケートでは、市民のおよそ8割が渋滞対策が不満だと回答しています。
市は、スイーツ店人気で日帰り客が増加したことや、熱海を通って伊豆半島を南下する車が増えたため、渋滞が深刻化したと分析しています。
市は対策として民間の駐車場を活用するマッチングサービスの導入や、渋滞が慢性化している駅前ロータリーを改修することで渋滞緩和につなげたいとしています。
●熱海市役所観光建設部 立見修司部長:
「(休日の駐車場は)駅周辺だけを考えると足りていない状況にあると言わざるを得ない。渋滞をなるべく短くする解消できるようには、出来る所から取り組んでまいりたい」
