【リニア新幹線】着々と整備が進む山梨県 工事着手すらしてない静岡県 今後は一体どうなる?
和田佳代子記者 山梨県 正午ごろ:
「あちらに建設されている高架橋の上をリニア中央新幹線が走ります。きょう、高架橋区間の工事の状況が全線で初めて公開されました」
静岡市中心部から車でおよそ1時間20分。
山梨県南巨摩郡富士川町。
30日“初公開”されたのがリニア新幹線が通る「高架橋」です。
品川・名古屋間をわずか40分で結ぶ「リニア中央新幹線」
2027年の開業を目指してきましたが、静岡県が県内区間の工事を認めていないため、開業時期の見通しが立っていません。
一方、実験線が通る山梨県では工事が順調に進んでいます。
JR東海 中央新幹線建設部山梨東工事事務所
太田洋 担当課長:
「山梨県内の路線となっています。全長が83.4キロあって、現在山梨リニア実験線が42.8キロできている。山梨県内で40.6キロを施工していく」
高架橋の工事は2020年から始まりました。
工事自体は順調に進み、残すは従来の“レール”にあたるガイドウェイなどを設置するのみとなっています。
南アルプスに到達すると…
ただ、現在は順調な山梨工区の工事も、南アルプスに到達していくと状況が変わってくることが予想されます。
なぜなら・・・
川勝知事 15日:
「先進ボーリングで掘っていくと、これは水抜き工事を兼ねているので、突発湧水もあり得る」
JR東海が南アルプストンネル内で行っている「ボーリング」をめぐり、静岡県と山梨県の意見が対立。
長崎幸太郎知事 26日山梨県庁:
「山梨県内では本坑の掘削が始まっている。作業員の命にかかわる問題なので、情報収集活動として事前の調査である先進坑のボーリング調査は不可欠であると考えている」
JR東海に対し、県境から300mの時点で山梨県内のボーリングをやめて欲しいと書面で要請していた川勝知事。
29日の会見では・・・
川勝知事29日:
「それ(ボーリング)は調査のために必要だというのは、もうごもっともなことです。そしてまた静岡県ならともかくも、山梨県で民間事業がなされることに対して、国なり県なりが、行政権をお持ちでありますから、そうした事に抵触することは一切するつもりはないし、してこなかった。してこなかったつもりであります。ともあれ、これはJR東海と専門家を通してのやり取りの中で、懸念を払しょくしてくださいという要請でありますので、この要請について、その懸念が払拭されていませんということを言っているので、この懸念を払しょくしてくださるようにJR東海お願いしているということです」
こうした1つ1つの問題が解決しないことには、静岡工区だけでなく、山梨工区でも工事をスムーズに進めることはできません。
品川・名古屋間を走るリニア新幹線の多くはトンネル区間となっていますが、30日公開された山梨県内の一部区間では、地上を走ることになります。
和田佳代子記者 山梨県 正午ごろ:
「高架橋の上にのぼってきました。今、私がいるここを実際にリニア中央新幹線が走ります」
和田佳代子記者 山梨県 正午ごろ:
「こちらは名古屋方面で、あちらに見えるのが現在工事が行われている第一トンネルです」
JR東海 中央新幹線建設部 山梨東工事事務所 中川隆広 所長)
「2020年から工事に着手し、地上区間においては立ち上がって初めての高架橋となる。今回の高架橋は節目だが、他のところも早めに工事に入って完成させて、早期の開業に向け頑張りたい。」
リニア開業に向け着々と準備が進む「山梨県」
一方本体工事の着手すらしていない「静岡県」
この状況、今後どうなっていくのでしょうか。
川勝知事は31日沿線各県で構成される「リニア期成同盟会」の総会に出席します。