報道陣の質問には答えず定例会見も有名無実に 田久保市長に相次ぐ「辞職要請」 揺れる伊東市この1週間

8月27日、静岡県伊東市役所。
記者挨拶「おはようございます」
Q:辞職を求める署名が市長のところに届けられますが、市長のお考えというのは
何か変わることはあるのでしょうか?
田久保市長「おはようございます」
この日も取材に応じることなく、市長室へと入る、伊東市の田久保真紀市長。
1万158人分の署名にも表情変えず
市役所の正面玄関の前では、市長の辞職を求めて、3人の市民が、プラカードを掲げていました。そこには、“市民は市長選を求めている”“信頼を失った市長は辞職せよ”など厳しい言葉が書かれていました。
市民:「今、市民は、市長がどうなのかということを問うてるので、選挙の費用を無駄遣いせず、市長選一発で自分が続けていいのかどうか、市民に問うてほしいと思っています」
そして、6日から始まった田久保市長の辞職を求める署名活動。この日、5人の代表者が、およそ3週間で集めた署名を持って伊東市役所を訪れました。
濱田修一郎元市議:「私たち伊東市民は、誠実で透明な市政を取り戻すため、伊東市長・田久保真紀氏に対して、一刻も早い辞職を強く求めます。このままでは伊東市の未来が失われてしまいます。この思いに賛同した1万158名の方々が署名を寄せてくれました」
濱田さん:座って、見てください。
田久保市長:あっ今これを全部?
濱田さん:ここで、お願いします。
田久保市長:わかりました。
表情を変えることなく、1万158人分の署名が書かれた紙をめくり、20分以上に渡って、目を通しました。

「市の未来が見えない」「一刻も早く辞任して」
伊東市女性連盟 森知子理事長:「田久保市長では伊東市の未来が見えません。早く辞任することを望みます」
西島彰元市議:「この後、市長が唯一伊東の市民に貢献できることはひとつしかありません。ぜひ辞任してください。一刻も早く辞任してください」
濱田元市議:「相変わらず役者ですね。それだけです。何の心にも響いていないのかなというふうには思いましたけれども、人の顔を見てはいますけれども、心を開いて聞いている雰囲気ではなかったですから」
伊東市 田久保真紀市長
Q:1万筆以上の署名が集まったが、どう考えている?
A.「ご意向の方は真摯に受け止めてまいりたいと思います。以上でございます」
Q:辞職してもう一度選挙に出て民意を問うのが大事なんじゃないかとか、市議会の解散を発表すると4500万かかるとか、市長はこういった声をどう受け止めている?
A.「まだ議会の意向も決まっていないうちから、私からあれこれ申し上げる立場にはございませんので、皆様の意向をしっかりと受け止めて考慮していきたい、そのように考えております。以上でございます。ありがとうございました」

定例会見も「発表以外の質問は受け付けない」
田久保市長の学歴詐称疑惑に揺れる伊東市。29日には田久保市長は、月に一度の定例会見に出席。会見に先立ち、“発表項目以外の質問には答えない”として、最大の関心事である、“学歴詐称疑惑”については、“一切質問に応じない”との意向を幹部職員に伝えていました。
すると、会見の冒頭、報道陣から“異例”の要請が…。
伊東記者クラブ幹事社:「田久保真紀伊東市長に要請します。学歴詐称疑惑に端を発し、3カ月間にわたって市政が混乱する中、報道の取材には答えず、市長は自身のSNSで市民の不安を煽るかのような市の見解と異なる発信を続けています。市民に対する説明責任を果たすことを放棄していると言わざるを得ません。今回の定例記者会見を含め、今後誠実に報道機関の取材に対応することを強く求めます。よろしくお願いします」
異様な雰囲気で始まった定例会見。田久保市長は、今年の夏の観光客数について報告しました。
田久保市長:「宿泊客数は前年度比93%に減少いたしました。観光施設入場者数は前年比96%に減少しております。物価高騰の影響や酷暑により野外施設が伸び悩んだことが原因と、そのように分析をしております」
Q:大手旅行会社のオンラインの予約状況は熱海は7月前年比84.5%、伊東は46%、非常に低い数字になっています。イメージダウンが影響しているということは可能性としてあると思う?
A.「可能性としてはもちろん考えていかなければいけない部分でありますが、まず客観的なデータの抽出と比較検討、これが重要でございますので、あまりにも伊東市の状況が悪いということであれば、そういった状況があるかもしれないと考えていくことができるのではないかと思っております」
会見の最後。田久保市長が、報道陣からの要請についてこう回答しました。
田久保市長「要請につきましては真摯に受け止めさせていただきます。しかし、過日私につきまして、行方不明になったというような報道がおどりまして、大変市民の皆様にもご心配をおかけいたしました。秘書課とは連絡を何回も取り合っておりまして、私が行方不明になったというような事実は一切ございませんでした。不信任決議についての報道も、まだこれから議会にお諮りして、皆さんで審議をなさって決定をなさる、そこは尊重すべきと思います。このようなことも含めまして、しばらくの間、こういった形での対応とさせていただきます。以上でございます。本日はどうもありがとうございました」
Q:一つ事実関係、事実ではないことを…、行方不明ではなく所在不明です
田久保市長「ありがとうございました」
Q:行方不明とは書いていない。所在不明と書いてある
Q:そもそも自身の学歴詐称についての説明はしないんですか?
Q:市長、カメラの向こうに伊東市民の皆さんもいらっしゃいますよ
結局この日も、学歴詐称疑惑について、新たな説明はなく、一方的に会見を打ち切りました。これには、市の幹部職員も戸惑うばかりです。
伊東市 近持剛史企画部長:「市民の方の素朴な疑問や不安に答えるのが記者会見で、市長の口からわかりやすく丁寧に話してもらうことが目的ですけど、それがなされなかったことはかなり残念だと思っています」

百条委は田久保市長の刑事告発を決定
さらに29日、田久保市長の学歴詐称疑惑に関する、最後の百条委員会が開かれました。そこでは、東洋大学に求めた文書について話し合われ。その結果、市の広報誌に誤った学歴が載ったのは、田久保市長による不当行為が原因と結論付けられました。
また、田久保市長が6月28日に初めて除籍と知ったと、繰り返し主張したことについても、虚偽と認定しました。
百条委 井戸清司委員長:「賛成の諸君の挙手を求めます。挙手全員であります。よって、本件については告発することに決定いたしました」
さらに、百条委員会では、これまでに田久保市長が、百条委員会への出頭を1度拒否したこと。卒業証書と説明しているものの提出を拒否したこと。百条委員会で証言を拒否したこと。百条委員会で虚偽の証言をしたこと。この4つについて刑事告発することを決めました。
その頃、田久保市長は…。
Q:お疲れ様です
田久保市長:「失礼いたします」
Q:市長、百条委のほうでは刑事告発も検討されているようだが、いかがでしょう
田久保市長:「(無視して帰る人に)ありがとうございました」
Q:主張が虚偽だったという話もでているが
田久保市長:「(エレベーター乗り込んで閉まる)きちっと百条委のことを待ちたいと思う」
9月1日、伊東市議会が開会となり、田久保市長に不信任決議案が提出される見通しです。(1日の市議会で田久保市長の不信任決議案は全会一致で可決されました)
(とびっきり!しずおか土曜版 8月30日放送)
