田久保市長に市民から相次ぎ「辞職要請」…「唯一市民に貢献できるのは辞職」　市長は「将来ビジョン」考える会議に　静岡・伊東市

静岡・伊東市　田久保真紀市長：「おはようございます」
Ｑ：辞職を求める署名が市長のところに届けられますが、市長のお考えというのは何か変わることはあるのでしょうか？

　２７日朝も取材に応じることなく、市長室へ入っていった伊東市の田久保市長。同じころ、市役所の外では。市長の辞職を求めるデモが行われていました。

市役所前で抗議活動をする市民：「（不信任案が提出されたら）議会解散とか言ってますけれど、議会なんて、任期が来れば、人数、また選挙で入れ替わるわけですから、今、市民は、市長がどうなのかっていうことを問うてるので、選挙の費用を無駄遣いせず、市長選一発で自分が続けていいのかどうかっていうのを、市民に問うてほしいと思っています」

　田久保市長の学歴詐称疑惑に揺れる伊東市。８月６日から始まった、田久保市長の辞職を求める署名活動では、目標を大きく上回る署名が集まったと言います。

　２７日午前１１時、署名を持ち、伊東市役所を訪れた５人の代表者たち。田久保市長に、署名を提示しました。

署名活動の発起人　濱田修一郎元市議：「私たち伊東市民は、誠実で透明な市政を取り戻すため、伊東市長・田久保真紀氏に対して、一刻も早い辞職を強く求めます。このままでは伊東市の未来が失われてしまいます。田久保市長がその職に留まり続ける限り、市政は前に進むことはありません。この思いに賛同した１万１５８名の方々が署名を寄せてくれました」

濱田さん：「座って、見てください」
田久保市長：「あっ今これを全部？」
濱田さん：「ここで、お願いします」
田久保市長：「わかりました」

　表情を変えることなく、１万１５８人分の署名が書かれた紙をめくっていく田久保市長。２０分以上、この状態が続きました（署名総数は本日分を集計中のため、このあと増える可能性）。

市職員：「これ見ていただくのに時間がかかるので」
田久保市長：「確かに」
市職員：「秘書広報課で預かって、きょう空いている時間にご覧いただいて、見終わったものを、私どもがお返しにあがるという形で…」
田久保市長：「あっ、返却する？」
市職員：「これ自体は提出いただくものではないと、うかがっています」
田久保市長：「そうなんですね」

　署名活動をしてきた人たちからは…。

伊東市女性連盟　森知子理事長：「田久保市長では伊東市の未来が見えません。早く辞任することを望みます」

西島彰元市議：「この後、市長が唯一、伊東の市民に貢献できることはひとつしかありません。ぜひ辞任してください。一刻も早く辞任してください」

署名活動の発起人　濱田修一郎元市議（取材に）：「相変わらず役者ですね。それだけです。何の心にも響いていないのかなとは思いましたけれども、人の顔を見てはいますけれども、心を開いて聞いている雰囲気ではなかったですから」

　いっぽう、田久保市長は…。

伊東市　田久保真紀市長
Ｑ：１万筆以上の署名が集まったが、どう考えている？
Ａ．「ご意向の方は真摯に受け止めてまいりたいと思います。以上でございます」

Ｑ：辞職してもう一度選挙に出て民意を問うのが大事なんじゃないかとか、市議会の解散を発表すると４５００万かかるとか、市長はこういった声をどう受け止めている？
Ａ．「まだ議会の意向も決まっていないうちから、私からあれこれ申し上げる立場にはございませんので、皆様の意向をしっかりと受け止めて考慮していきたい、そのように考えております。以上でございます。ありがとうございました」

　それから２時間後。再び田久保市長がカメラの前に姿を見せました。行なわれていたのは、「伊東市総合計画審議会」。市の基本計画や人口ビジョンについて、話し合う会議です。

伊東市　田久保真紀市長：「各分野でご活躍中の委員の皆様におかれましては、伊東市の将来のために、様々な角度から、ご意見を賜りますようお願いを申し上げ、あいさつとさせていただきます」

　会議では、福祉や、教育、都市計画、観光など、伊東市のさまざまな「将来のビジョン」について説明が行われました。果たして、この舵取りを、田久保市長が引き続き担っていくのでしょうか？