待ったなし「少子化問題」…静岡市は「人口減少率」が政令市ワースト2位 難波市長「出生率が低く生涯未婚率が高い」

 日本にとって待ったなしの状況となっている「少子化問題」。去年生まれた赤ちゃんの数、出生数は過去最少の77万人。現在の50歳前後に当たる第2次ベビーブーム世代と比べて4割以下となりました。また、厚生労働省が今月発表した2022年日本の人口動向調査によると、女性が生涯に産む子どもの推定人数である「合計特殊出生率」は前年の1.30から1.26となり過去最低を更新しました。

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街の声は…

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 静岡県も前年の1.36から下げて1.33に。こちらも過去最低となりました。ただ、子育てをする県民からは本音の声が…。

静岡市民20代(11カ月の子ども1人):「経済的に許せば2人目ほしいけど、今の生活だとちょっと2人目は考える」

浜松市民(夫40代 妻30代 3歳と11カ月の子ども2人)
「2人でも大変なので、(3人目は)どうでしょう」

 少子化に歯止めをかけるべく、政府が掲げた「異次元の少子化対策」。これについても「生活者目線で」様々な要望があがりました。

藤枝市民20代夫婦(6カ月の子ども1人)
夫:「いくら所得があるか申請していると心理的なハードルが高くなるので、(所得制限なく)子どもがいればいくら貰えるか決まっているとありがたい」

妻:「物価も上がっている、最初に買っていたミルクもどんんどん値上がりしているので、金銭面でサービス受けられるとありがたいと思う」

静岡市民20代(11カ月の子ども1人):「お金をばらまいてほしいというよりかは、これから生活に関わってくる学費を高校まで無償化したり、大学も無償化にしていくとか、オムツとか日用品とかがだいぶお金がかかるので、そういうところに援助があればもう一人産もうかな、という気持ちになる」

 政府は13日、「異次元の少子化対策」を実現するための「こども未来戦略方針」を閣議決定。第3子に月額3万円といった児童手当の増額や親が働いていなくても保育園の利用を可能にする一時保育の拡充、そして給食費の無償化など多岐にわたる方針が盛り込まれました。

20政令市中「人口減少率」ワースト2位

 一方、県内でも「少子化」に伴う人口減少に強い危機感を持っている自治体があります。それが…。

画像1: 20政令市中「人口減少率」ワースト2位

静岡市 難波喬司市長(13日):「静岡市の人口減少率が、県の平均よりも、また同じ政令市である浜松市よりも高いことをしっかり受け止めなければなりません。現実を直視した政策が必要です」

画像2: 20政令市中「人口減少率」ワースト2位

 市長就任からちょうど2カ月というタイミングで市議会6月定例会で所信表明をした静岡市の難波市長。静岡市は全国20ある政令市の中で「人口減少率」がワースト2位となっていて、その理由をこう分析しました。

静岡市 難波喬司市長:「県平均、浜松市より、静岡市の出生率が低いことや、生涯未婚率(50歳時の未婚率)が高いことです」

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 1998年以降、「合計特殊出生率」の推移では、同じ政令市の浜松市は常に県平均を上回っているのに対し、静岡市は県平均を大きく下回っています。具体的な政策には言及しませんでしたが、今後、人口減少対策に力を入れていくことを強調しました。

静岡市 難波喬司市長:「定住人口(地域に居を構えて定住している人々)の減少の流れを変えることが必要であると考えています」

 全国的にも待ったなしの状況となっている「少子化」や「人口減少」。この現状に静岡市の担当者は…。

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静岡市企画課 伊藤大志副主幹:「大変重く受け止めている。人口が増えている都市が半分以上ある中で、大変高い減少率となっているので、危機感を持っていかなければならない。

 静岡市の独自調査によると、県全体や浜松市では大学進学や就職を機に県外へ転出する若い女性の割合が大きく、人口減少に影響を及ぼしているそうですが、静岡市はその割合が低く、出生数の減少が人口減少の要因と考えています。

 市ではそのような現象が起こっている理由について、今後調査・分析を行い、早急に対策をする方針です。

今の対策は移住者の呼び込み

 一方、現在行っている主な「対策」は移住者の呼び込みです。

静岡市企画課 伊藤大志副主幹:「主には首都圏からの移住促進を進めてきた。定住人口が都市基盤の一番の源泉、そこが一番重要な課題と認識している」

画像: 今の対策は移住者の呼び込み

 こうした移住者へのフォローや、子育てをしやすいまちの実現に向け、2026年までに新しい屋内型の遊び場施設の整備や子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、所得に関係なく第2子の保育料を完全無償化する施策も実施する方針です。