国民・榛葉幹事長 高市総理に『一緒に関所越えよう』 赤沢経産大臣に『ますます好きになりました』 片山財務大臣に『きょう寝られそうです』
予算委員会での本格論戦は、14日最終日を迎えました。国会論戦でも「物価高対策」が大きなテーマとなる中、政府の新しい経済対策の具体案が明らかに。物価高対策としては、地方自治体が使い方を決められる、「重点支援地方交付金」を拡充。「おこめ券」の発行を後押しし、食料品の購入を支援するほか、「プレミアム商品券」や地域で活用できる「マイナポイント」の発行を推奨しています。
住宅価格の高騰に対しては、固定金利型の住宅ローン「フラット35」の融資限度額を引き上げます。冬の電気・ガス料金についても支援し、生活困窮者の灯油の購入を助成します。
片山さつき財務大臣(14日)
Q.(物価高対策の)財源的な裏付けとなる今年度の補正予算はどの程度の規模に?
A.「物価高対応、そして強い経済の構築、これを様々な政策手法を総動員して責任ある積極財政を掲げた政権でございますので、それにふさわしいものにはしなければいけないと思っております」
榛葉氏vs片山大臣 「なぜ車からこんなに税金を」
12日、高市総理と初めての論戦に臨んだ、国民民主党の榛葉賀津也幹事長。片山財務大臣には、自動車への課税について質しました。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「財務大臣、なぜこんな車から税金をたくさん取るようになっているんですかね。大臣のファンがたくさんいる静岡県天竜区水窪、佐久間、龍山。ここは車がなければ生きていけませんね。大臣、まさか走行距離課税というのがあるんですけど、水窪の皆さんから『これ、やらないよね』と言われているので、やりませんよね?」
片山さつき財務大臣:「走行距離に課税するのはあんまりだという声は本当に伺っておりまして、ご指摘のいわゆる走行距離課税については、政府として具体的に検討しておりません(会場拍手)」
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「ありがとうございます。きょう寝られそうです(笑い)」
静岡市のGSでは
自動車をめぐる税金といえば、年内での廃止が決まった「ガソリンの暫定税率」。
笹村朱里アナウンサー:「きょう(13日)から段階的に増額されるガソリンの補助金。しかし、こちらのガソリンスタンドではまだ価格は変わっていないということです」
おとといの時点で、このスタンドではまだ価格が下がっていませんでした。それには事情が…。
丸紅エネルギー静岡中田SS 八木裕司さん:「今ある在庫は古い在庫ですから、高い商品たくさん残っていますので…」
新しいガソリンは14日届き、同時に販売価格も5円引き下げられました(「レギュラー」171円→166円 「ハイオク」182円→177円)。ただ、高い価格で仕入れた在庫もあるため、10万円以上の損失になるといいます。
丸紅エネルギー静岡中田SS 八木裕司さん:「かと言って、こっちの損を少なくするために(値下げを)延ばすと、他との競争もありますから、お客さんに転嫁できないので、毎回覚悟していることですね」
利用客:「私は年金暮らしですから下がっていただければ。従来の120~130円ぐらいにまでなってくれるとありがたいなと思っていますけども」
政府による補助額は2週間ごとに段階的に引き上げられ、12月11日には暫定税率と同じ25.1円となり、実質廃止されます。
榛葉氏vs高市総理「お互いに対決よりも解決」
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「ガソリン暫定税率の廃止、ありがとうございました。残すは103万円の壁です。このもう一つの約束、総理、これやってくれますね? 合意書に書いてあるので、なるべく総理、(年収の壁を)178万円に近づけるよう努力してほしいんですけれども、いかがでしょう」
高市早苗総理大臣:「お互いに対決よりも解決を目指すんであれば(会場笑い)、お互いに関所を乗り越えていかないかんと思っております」
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「一緒に関所を越えましょう」
榛葉氏7人の大臣に質問
党の看板政策である「年収の壁」のさらなる引き上げを高市総理に迫った、榛葉幹事長。高市総理をはじめ、大臣7人と質問を交わしました。
小泉進次郎防衛大臣:「我々自身の抑止力・対処力、これを新たに構築していかなければいけない」
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「大臣、なかなか力強いね。いいよ(会場笑い)」
榛葉氏vs赤沢経産大臣 「浜岡原発視察しましょう」
赤沢経産大臣には…。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「私は総理の言う「強い経済」と国民民主党の言う「手取りを増やす」。日本経済の実現は、電力の安定供給なくしてあり得ないと思っています。私の地元には中部電力の浜岡原子力発電所があるんですが、現在、稼働していません」
御前崎市にある、浜岡原発。東日本大震災が起きた2011年の5月から、すべての原子炉が停止しています。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「法的根拠なく止まったんです。つまりは事故でも災害でも何でもなく、政治が発電所を止めたんですね。安全確保のために審査を厳格にやるのは当然ですけれども、経産大臣、余りにも時間がかかり過ぎていませんか」
国民民主党は地元の合意などを条件に、安全基準を満たした原発は早期の再稼働を目指す考えです。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「地方自治体の首長が再稼働の責任を負って、事業者は株主訴訟の責任を負っているのに、国が主体的になっていないんです。経産大臣、ぜひ国が前面に立ってほしいと思います。一度、浜岡見てもらえませんかね。私が随行するので、ぜひ一緒に浜岡原子力発電所を見てもらえませんか」
赤沢亮正経産大臣:「榛葉先生が一緒に色々と教えていただけるということであれば、最大限努力して時間を作りたいと思います」
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「赤沢大臣、さらに好きになりました。ありがとうございます(会場笑い)」
共産・小池氏vs城内経済財政担当大臣
そして、13日の論戦では、共産党の小池書記局長が「強い経済」を実現するための、具体的な手段を質しました。
城内実経済財政担当大臣:「強い経済を実現するためには、まず企業が過度に内部留保を現預金として保有するのではなく、設備や人への投資などに効果的に活用することを通じて、労働者への分配を増やしていくことが重要であります」
共産党 小池晃書記局長:「その方向はいいですよ。具体的にどうやってこれをやるんですか」
城内実経済財政担当大臣:「賃上げについてもしっかりと、いろいろとあると思いますので、やって…すみません、例えば、様々なやり方があると思います(会場笑い)」
共産党 小池晃書記局長:「しっかりとかいろいろとか言うだけで、具体的な施策は何も出てこないじゃないですか。全然だめですよ、これ。ちょっと」
高市総理が助け舟
その後…。
高市早苗総理大臣:「すみません。まず今回取り組むのは、赤字で賃上げ促進税制を使えない企業、ここに対して地方創生、地方の交付金を使っても補助金を出す。そこにいる賃上げ環境整備担当大臣、先ほど少し答弁でしくじったかもしれませんが、担当大臣に対して、この物価上昇を上回る賃上げが継続する環境整備に向けた戦略策定を指示いたしました。関係する施策を総動員して、中小企業・小規模事業者の皆様も継続的に賃上げできる環境を整えてまいる、これが私たちの内閣の方針でございます」
「年収の壁」引き上げ協議が再燃
年収の壁の問題において、国民民主党が求める178万円が最低賃金上昇率に基づくものであるのに対し、高市総理は「物価上昇に連動した形で引き上げる」との立場で、主張には隔たりがあります。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長:「これからいろんな意味で知恵の出しどころだと思います。178万円の意味は賃金上昇と総理もご理解されています。それが約束ですからね。ここから総理と片山財務大臣がどうなってくるのか、我々も屁理屈を言っているのではなくて、しっかり理論的に、建設的に議論を重ねていきたいと思います」
来年度の税制改正に向けて、「年収の壁」の引き上げをめぐる協議が再燃していきます。
