再稼働への道のりは大きく後退 浜岡原子力発電所のデータ不正問題で原子力規制委員会は審査を「白紙」とする見通しを示す

 再稼働への道のりは大きく後退しました。

 浜岡原子力発電所のデータ不正問題。原子力規制委員会は審査を「白紙」とする見通しを示しました。

 再稼働に向けた審査において、データの不正利用問題が明らかになった御前崎市にある中部電力の浜岡原子力発電所。

 午前開かれた、原子力規制委員会の定例会合。ここでも、今回のデータ不正問題が議題になりました。

 今回明らかになったのは、再稼働を目指す浜岡原発3・4号機をめぐる問題です。耐震設計の目安になる「基準地震動(きじゅん・じしんどう)」について、揺れを過小評価するデータを“意図的”に選んでいたといいます。委員からは、厳しい指摘が相次ぎました。

●原子力規制委 山岡耕春委員:
「研究不正に例えると、ねつ造または改ざんにあたるものかなと。非常に大きな失望を感じたというところが正直なところです」

●原子力規制委 杉山智之委員:
「こういう不正行為があると、全てを台無しにしてしまう。(中電の申請で)どこが信用できて、どこが信用できないかが分からない。その状態で審査継続は不可能です」

 データ不正が明らかになった浜岡原発。遅くとも2018年頃から行われていたとみられ、原子力規制委員会に対しても、実際とは異なる説明をしていたということです。

 7日開かれた会合では、すでに停止されている審査について、継続は「困難」との意見で一致しました。

●原子力規制委員会  山中伸介委員長:
「これ前代未聞の事案ですので、相当厳しい対応になろうかと想像しております。全く白紙になろうかと考えています」

Q:白紙なのは今回の不正に関わるものからか? 申請のやり直しから求めていくのか?
「審査そのものをやり直していく必要があろうかと思います。

●中部電力 林欣吾社長:
「心より深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」

 今回の不祥事を公表し、深々と謝罪した中部電力の経営トップ。中部電力は担当部署の数人が関与していたと説明していて、“組織体質”も問われる事態となっています。

●原子力規制委員会 山中伸介委員長:
「これは中部電力全社の問題という認識でおります」

 浜岡原発をめぐっては、2カ月前にも、工事契約をめぐる不祥事が発覚し、原子力本部長だった副社長らが辞任したばかりです。

●中部電力 林欣吾社長:
「浜岡原子力発電所を運営する原子力事業者としての適格性も疑われるものであると痛切に感じております」

再稼働への道のりは大きく後退 浜岡原子力発電所のデータ不正問題で原子力規制委員会は審査を「白紙」とする見通しを示す

●嶋田光希アナウンサー:
「私の後ろに見えるのが御前崎市にある浜岡原発です。全ての原子炉が停止して今年で15年。再稼働に向けた審査の中で浮上した疑惑によって、その停止期間がさらに伸びることは確実です」

 再稼働には地元の同意が必要になりますが、今回のデータ不正によって、信頼関係は揺らいでいます。

●御前崎市 下村勝市長:
「原子力発電が重要であるという認識は今も変わっておりません。ただし、やはり安全性が大前提になりますので、今回の事態が技術的にどの程度安全性評価に影響を与えるのかが重要になってくると思いますけど、その点は大変厳しい目で状況を注視していきたいと思っています。地域の信頼なくして、やはり再稼働は難しいと思っています」

 午後、鈴木知事も取材に応じました。

●鈴木知事:
「信頼性を失わせる大変遺憾な出来事であると思っております。国に対してしっかりと事業者を指導・監督するように求めてまいりたいと思います」

 原子力規制委員会は来週、今後の対応を正式に決定する方針です。

再稼働への道のりは大きく後退 浜岡原子力発電所のデータ不正問題で原子力規制委員会は審査を「白紙」とする見通しを示す
  • 静岡県版イベント系サブスクリプションサービス「しずGo!」