【リニア】利水協議会入りを静岡市が断念 川勝知事はJR東海にまた文書送付

リニア新幹線問題を巡る大井川流域自治体の協議会への加入について静岡市の難波喬司市長は「今の時点ではやらない方がいい」と述べ発言をトーンダウンさせました。

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【リニア新幹線】静岡市の大井川流域自治体の協議会加入騒動は節目を迎えたが「トンネル」の出口はまだ見えず

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静岡市・難波喬司市長:
「参加することについてご懸念がある状態で、私があえて強引に入るというようなことはやるべきではないと思っていますので。今の時点では、やらない方がいいのかなと思っております」

 12日の会見で、静岡市の難波市長が触れた話題。

 それは、リニアの水問題をめぐって県と大井川流域の市や町などで組織している「大井川利水関係協議会」について。

 12日の会見では「やらないほうがいい」とトーンダウンした難波市長ですが、就任当初はこの協議会に参加する意思を表明していました。

静岡市 難波喬司市長 (4月13日):
「流域という面で言うと静岡市も流域。ですから、大井川の流域で市町が作っているものに参加していないというのは普通に考えると変だなと思うので、そういう面から言っても当然そこには加わるべきだと思っている」

 かつての“上司”だった川勝知事も…

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川勝知事(4月13日):
「彼は副知事時代に利水関係協議会とか連絡協議会本部長として、全ての情報に精通しているですから。利水関係協議会の会員の皆様とこれまでが異常な状態でした」

 一方で、大井川流域からは…

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島田市・染谷絹代市長 4月27日:
 立ち位置が違う中で、急に一緒にと言われても。私どもはすぐには難しいのではないかと思っている。

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3月の協議会(流域中心)
 島田市の染谷市長を中心に大井川流域市町は、静岡市が利水者ではない上に、田辺前市長の時代にすでにJR東海とリニア工事に関する協定を結んでいたことから、静岡市の協議会入りに難色を示していました。

 難波市長の「トーンダウン」の背景には、こうした現・利水関係協議会メンバーである大井川流域市町の考えとの“バランス”があるようです。

静岡市・難波喬司市長 午前11時
「利水協が発足時に入ったらどうかと先方からお話があって、静岡市が断ったという経緯がある。お誘いがあったから入る、それが普通でしょ?と思っていたが、そうではない。今はあまりお誘いされないような状況でもあるので、そういう中で入らないということについては、知事も理解されると思う」

 利水関係協議会の“加入騒動”については、1つの節目を迎えたようにも見えるリニア問題。

画像4: 【リニア】利水協議会入りを静岡市が断念 川勝知事はJR東海にまた文書送付

「ボーリング」「水」問題は

 ただ、まだまだ“別の問題”がくすぶっています。

 話の主人公は、川勝知事です。

 川勝知事の文書から

 来静していただき、ありがとうございました。

 科学的・工学的な議論が大切であるということが共通理解であると確認できたことを、大変心強く思っております。

 これは、川勝知事が、11日付でJR東海の丹羽社長あてに送った文書です。

 文書の冒頭部分では、4月丹羽社長が挨拶で県庁を訪れたことへのお礼など前向きな言葉が綴られています。

 ところが、読み進めていくにつれ、トーンは一変します。

川勝知事の文書から:
「現状では、本県が意見書で求めた要請に応えて頂けておりません。
本県との対話に真摯に対応いただきたいと思います」

画像1: 「ボーリング」「水」問題は

 文書を通じ、改めてJR東海の姿勢に対して苦言を呈した川勝知事。

 問題として挙げたのが、JR東海が山梨県内で行っている「ボーリング」について…

 ボーリングは、5月2日時点で静岡県と山梨県の県境から583mの地点まで進んでいます。

画像2: 「ボーリング」「水」問題は

 この県境付近には、地下水を大量に含む破砕帯があるとされていて、JR東海は、県境から300mより先は、「慎重に作業を進める」としていました。

 これに対し県は、静岡県の地下水が山梨県側に流れ出る恐れがあるとして、流れ出た場合の「水をどう戻すか」などを事前に話し合い、県の合意を得てから作業を進めるよう求めています。

画像3: 「ボーリング」「水」問題は

 県はこれに釘をさすように11日JR東海に対して「県境から300mよりも先には“進まない”よう」
文書で強く求めました。

 依然、文書での攻防が続くリニア問題。

 トンネルの出口は、まだ見通せそうにありません。