「運休」と「欠航」何が違う? 知っているようで知らない交通用語 駿河湾フェリーに聞いた意外な使い分け

 まだ6月だというのに、早くも日本列島に上陸した台風6号。大きな被害がなかったのは幸いでしたが、鉄道やバスから船、飛行機まで、全国の交通機関に大きな影響を及ぼしました。

 さまざまな交通機関で運転の取りやめが発生しましたが、気になったのは、会社によって「運休」と「欠航」という表現を使い分けていたことです。この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。

 まずはAIに聞いてみました。すると、「『運休』は主に電車やバスなどの便を運転・運航しないこと全般を指し、『欠航』は特に飛行機や船がその便を飛ばさない・出さないことを指す用語です」との答えでした。少し分かりにくいですが、鉄道やバスでは「運休」、航空機や船では「欠航」と表記されることが多いようです。

 静岡県内の交通機関のホームページを見てみると、静岡鉄道や伊豆箱根鉄道は「運休」、フジドリームエアラインズや初島リゾートラインは「欠航」となっており、やはりAIの説明どおりのようです。

伊豆急行は土砂が流れ込み一部区間が「運休」
伊豆急行は土砂が流れ込み一部区間が「運休」

法律で決まっているわけではない

 しかし、駿河湾フェリーのホームページを見ると違和感が…。

 静岡市の清水港と伊豆市の土肥港を結ぶ駿河湾フェリー。1日3往復運航していますが、台風6号の影響で6月2日は運航を取りやめました。

 問題なのはその表現です。ホームページには「台風6号の影響により、本日の第1便は欠航、第2・第3便は運休いたします」とあります。AIの言う通りなら、駿河湾フェリーはすべて「欠航」となるはずです。なぜ「欠航」と「運休」が混在しているのでしょうか。(ちなみに翌日の6月3日は「全便運休」となっています。)

 この件について、駿河湾フェリーに話を聞きました。

●ふじさん駿河湾フェリー 吉永和之常務理事:
「6月2日は第2便、第3便については前日までに運休を決定していました。第1便については運航する予定だったのですが、当日の午前6時半に波や風の状況を見て急きょ判断しました」

 つまり、事前に運航休止を決めてホームページなどで告知するのが「運休」。当日に急きょ運航を取りやめるのが「欠航」というわけです。7月には点検のため運航を休止する予定がありますが、事前に決まっているため「運休」と表現しています。少し紛らわしい気もしますが、利用者から問い合わせはないのでしょうか。

●ふじさん駿河湾フェリー 吉永和之常務理事:
「実は他のマスコミからも問い合わせがあり、『どちらかに統一したい』という話もありましたので、『好きなように使ってください』とお答えしました。当社ではそのように使い分けていますが、法律で決まっているわけではありませんので、どちらを使っても問題ないと思います」

 駿河湾フェリーでは業務上、「欠航」と「運休」を使い分けていますが、基本的にはどちらも「運航を休止する」という意味。利用者としては、あまり気にする必要はなさそうです。

「欠航」と「運休」がある駿河湾フェリーのホームページ(6月2日)
「欠航」と「運休」がある駿河湾フェリーのホームページ(6月2日)