大阪都構想否決で静岡型県都構想への影響は? 川勝知事は「僅差」田辺市長は「市の廃止を望まない声大きかった」

「大阪都構想」の賛否を問う住民投票は1日、反対多数で否決されました。
 この影響は静岡県にも…。

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 大阪の住民投票をこの2人は、強い関心を持って見守っていました。

静岡県 川勝平太知事(先月27日):「高い関心を持って見守っている。今回の政令指定都市がもし廃止されることになったら、大きな風穴が開く。県都構想は、行政の在り方を無駄なく市民・県民の福利の向上に役立つためにどうしたらいいか、ということを議論しようということ。今の政令指定都市の在り方は、私はこのまま放置できるものではない」

静岡市 田辺信宏市長(先月21日):「指摘されるような二重行政で支障があると感じていません。やはり静岡市を廃止して解体ということを、静岡市民は望んでいないと思っています」

 川勝知事が提唱する「静岡型県都構想」とは、静岡市を廃止し、県直轄の3つの特別区に分けるというものです。ただ、実現のためには大都市法に定められた「特別区は人口200万人以上の都市にしか設置できない」という要件を改正する必要があります。

川勝知事「僅差であり、二重行政解消に知恵を出すことが求められる」  田辺市長「大阪市廃止を望まない声が大きかった」

画像: 川勝知事(左)と田辺市長

川勝知事(左)と田辺市長

 川勝知事は、大阪都構想が可決された場合は、県都構想の議論を加速させる考えだったとみられますが、否決によって、ブレーキがかけられた形です。 今回の結果を受け、川勝知事は…。

川勝知事コメント
「大阪都構想は否決されましたが、僅差であったことからも、二重行政という課題の解決に向けて、知恵を出していくことが求められていると考えています。大阪市民が自らの行政体制を選択することができた一方で、大都市法の『200万人以上』という要件があることにより、静岡県の政令市には制度が適用されず、住民が選択の機会を得ることができません。この要件を削除する大都市法の改正や、特別自治市制度の法制化を引き続き、国に働きかけてまいります」

 一方、静岡市の田辺市長は短いコメントを出しました。

田辺市長コメント
「今回の結果は、大阪市を廃止することを望まない声が大きかったものと考えています。静岡市としても、改めて基礎自治体として、市民に密着した行政サービスを行うことの重要性を感じたところです」

静岡市民は…

画像: 静岡市民は…

静岡市民は…

 大阪都構想否決の翌日、街頭で静岡市民に聞くと、川勝知事の掲げる県都構想に対しても慎重な意見が目立ちました。

静岡市民 60代男性
「静岡の知事もそんなこと言ってるよね」
Q.(県都構想に)賛成か反対で言うと?
「反対ですね。今の清水区なんかもそうでしょ? 広い静岡市と見られた場合に、どうしても清水の住民の意見というのは通らなくなる」

静岡市民 40代女性
「二重(行政)で県の意見聞かないとできないとか、そういうことがなくなって市だけで判断できて、早い行動ができるならいいと思うんですけど、メリットだけではないと思う」

静岡市民 50代女性
「静岡市がなくなるというのはさみしい気もするし、それで区にして分かれて、円滑にいくんだったら、それはそれでいいですけど。なんかもう自分がここの人じゃなくなるような…」

静岡市民 70代女性
「私も静岡市はあったほうがいい。昔からずっとだからさ。静岡市っていうのは徳川家康があって、富士山があって、そういうイメージだから。ボケてもそれ2つはあるからね頭に。静岡市というのはいいなあって」                               (11月2日放送)

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