全国的に深刻な問題となっている空き家対策 倒壊の危険性がある「特定空き家」などリスクの高いものも 「空き家の活用」進める自治体も
全国的に深刻な問題となっている空き家。放置すると倒壊につながる恐れもあることから、県内の自治体はさまざまな対策を講じています。その取り組みとは…。
この日、静岡市清水区で行われていたのは、行政による“空き家の現地調査”です。
●古賀りなアナウンサー:
「清水区の閑静な住宅街です。こちらの住宅見てみますと、葉っぱや木の枝が道路の方まで伸びてしまっています。」
総務省のまとめでは、全国の空き家はおよそ900万戸と、この30年でおよそ2倍に増え、右肩上がりが続いています。静岡市内だけも、5万2700戸ほどに上る空き家。毎日のように、市に空き家に関する相談や苦情が寄せられているといいます。
週に1度は行っているという、市のパトロール。
●古賀りなアナ:
「外にどれくらい草が伸びているかを測っているようです」
問題のある箇所は、カメラで撮影。空き家の所有者に、改善を促す通知を送るためです。
●静岡市住宅政策課空き家対策係 相澤千代さん:
「建物的には倒壊しそうという危険性は特に感じられなかったんですけど、メインは草木の越境」
しかし、中には、倒壊の危険性がある「特定空き家」や、放置すれば倒壊の恐れがある「管理不全空き家」など、リスクの高いものも…。
●古賀りなアナ:
「静岡市葵区にあるこちらは『管理不全空き家』だということです。壁一面トタンがさびていて、上の方を見ても崩れていて今にも何か飛んできそうな状態です。」
静岡市は今年度初めて、市内すべての空き家の把握調査に乗り出しました。
●静岡市 住宅政策課空き家対策係 服部智一主幹:
「上を見ると柱が折れたり、屋根がめくれていたり、といがつながっていなかったり、管理されていないがために、このように危険な状態になっている」
「空き家の実態調査」の結果、一定の危険性があるとして、「管理不全空き家」に認定された、こちらの住宅。相続人がいなくなり、長年放置されていたことが分かりました。所有者不在のため、市は裁判所に申し立てを行った上で解体する方針で、その費用は、全額自治体が負担することになります。
危険な空き家を一軒でも減らそうと、静岡市は今年度から「空き家の解体費用」を補助する制度を導入。倒壊の恐れがあることなどを条件に、解体費用の半分、最大100万円を上限に補助金を支給する仕組みです。
●静岡市住宅政策課空き家活用係 服部智一主幹:
「世の流れとしては(空き家が)増えていく傾向にあるので、建替え補助を使っていただいて、件数を減らしていくところにつなげたい」
一方で、“空き家の活用”を進める自治体も…。
●掛川市くらしデザイン課空き家対策係 陸田真宏課長:
「昨年度から空き家の活用モデル事業の補助金を作って、空き家の活用をバックアップしています」
掛川市では、市内にある4万軒あまりのうち、1869軒が空き家となっていることがわかりました。そのうち、1000軒あまりが、小規模な修繕で再利用が可能な空き家だったといいます。そこで実施したのが、「空き家活用モデル事業」。
●村松謙一さん:
Q玄関から美術品が並んでいますね?
「そうですね、コンセプトとしては泊まれる美術館を目指していて、皆さんに見ていただく場所かなと思っています」
補助金を活用して数年前から空き家だった、築95年の日本家屋をリノベーションしてつくられた一棟貸しの民泊施設、「愛宕下の宿(あたごしたのやど)」。
元々、応接間だったこの場所は・・・。
なんということでしょう…!匠な技術で生まれ変わり、リビングルームに…!薪ストーブが置かれ、現代風の開放感あふれる部屋になりました。
和室だったこの部屋も・・・。きれいなベッドルームへと大変身。壁の一部を改修することで、上質なホテルのような空間へと生まれ変わりました。改修にかかった費用は・・・。
●村松謙一さん:
「(自分が)負担したお金は、倍近くになったんですけどやり始めると、やっぱりあっちも直したい、こっちも直したいということで」
補助金と合わせて、およそ1500万円を投じて、リフォームや耐震補強を行っています。
今月から予約を開始していて、料金は1棟貸しで1泊5万5000円から。
●村松謙一さん:
「おそらくこの建物も美術館も建物としての不動産価値はほぼゼロだったと思います。新しく生まれ変われる価値が必ずあると思っている」
掛川市の「空き家活用モデル事業」。今年も1軒あたり最大200万円で、事業を継続しています。
●掛川市くらしデザイン課空き家対策係 陸田真宏課長:
「活用を促すことによって空き家はこういう可能性があるんだよと、今の空き家をなるべく減らしていきたいのが望みになります」